「NTTドコモが基地局を設置する鉄塔約6000本を売却」――。2022年3月末、そんな衝撃のニュースが業界を駆け巡った。携帯電話事業者にとって競争の源泉である基地局の設置場所(ロケーション)を手放すという、これまでの国内事業者の常識を覆す一手だ。ドコモの鉄塔約6000本を約1000億円で入手するのは、国内で設備共用ビジネスを手掛ける新興企業のJTOWER。ドコモの鉄塔6000基を元手に、複数事業者で鉄塔をシェアする設備共用(インフラシェアリング)ビジネスを国内で一気に広げる計画だ。国内で急速に動きだした「基地局トランスフォーメーション(変革)」の動向に迫る。