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  • 高騰する米国の教科書価格 - Willyの脳内日記

    8月下旬になり米国の大学では新年度を控えて、授業準備をする時期だ。今学期担当する授業は2コースとも自分で教科書を選んだのだが、教科書の値段があまりにも高騰していて驚いている。 大学院向けの教科書の値段は、一昔前まで一冊100ドル程度であることが多かった。しかし、今学期使う教科書は、4年前に自分で購入した時には174ドル、現在は270ドルだ。たった4年間で実に50%以上の値上がりである。これはアマゾンでの割引価格で、定価は342ドルだそうだ。 学部初級向けの教科書の値段も高騰している。私が現在の大学に就職した6年前、教科書の値段は150ドル強のものが多かった。米国の学部初級の教科書と言えば、簡単な内容に回りくどい説明をつけて1000ページ位に膨らませたような代物なので、それでも馬鹿らしいほど高いと感じていたが、今年選んだ教科書の販売価格は272ドルである。 私が特別高い教科書を選んだというわ

    高騰する米国の教科書価格 - Willyの脳内日記
  • アメリカのプロはど素人 - Willyの脳内日記

    アメリカのサービスのレベルが始まったのは今に始まったことではないが、 これは単に店員の態度が悪いということに留まらず、 そもそも能力がない人がやっていることが多い。 夏に、米国大使館でビザスタンプをもらうために申請書を準備しているのだが、 たった1枚の証明写真の要件が異様に細かくA4で5ページにも及ぶ。 ちなみに、デジタルのファイルとプリントアウトしたものの両方が必要。 主な点をあげると、 ー 写真は2インチ×2インチ ー 目の高さは写真の下辺から測って写真の高さの56-69% ー 顔の長さは写真の高さの50-69% ー 顔は全体の中央 ー 背景は白 ー 顔や背景を影で遮っていない ー 不鮮明でない ー 色彩は自然な肌色を写している ー デジタル画像はJPEGまたはJFIF形式 ー サイズはアスペクト比1:1で各辺600-1200画素 ー ファイルサイズは240KB以下 ー 色はsRGB色

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    Itisango 2012/04/05
  • こんなんでいいのか、うちの学科の修士課程 - Willyの脳内日記

    月曜日に数学科のオフィスにふらっと寄ったら 修士課程の中年の外国人学生から声をかけられ、 「私は数学科の修士課程の学生で、 確率統計の修士を取るためにエッセイを書かなきゃ いけないんだけど、指導教官になってくれないか?」 と頼まれた。 アメリカの修士課程は修士論文が必須ではないので、 この学生の場合は論文は無しで、20~30ページのレポートを書けばよい。 コースワークは既に終わったとのこと。 しかし、もともと電気工学の学生で、 確率論や統計学にあまり興味がなさそうである。 取りあえず確定的な返事を保留しつつ、 今日少し話をしてみたのだが… 私「今までにどんなコース取ったの?」 学生「これがリストなんですけど…」 abstract algebra, real analysis, advanced statistical theory, control and stochastics, … と

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    Itisango 2011/08/11
  • 値段をつけるときの割り切り方が違う日米 - Willyの脳内日記

    先日、デトロイトのコメリカパークで大リーグの デトロイト・タイガースとシアトル・マリナーズの試合があったので 久々にイチローを見に野球観戦に行ってきた。 大リーグには球団が30前後あり、席料も良い席なら 簡単に50ドルを超えるので日より安いわけでもないのだが、 マイナー球団の試合でも当にいつも混んでいる。 日との一番の違いは、観客層の幅広さだろう。 日のプロ野球は、野球少年とその父親とか野球好きのサラリーマンが 主な観客だが、大リーグの試合は、赤ちゃんから老人まで男女問わず あらゆる年齢層の人が大勢でグループになって押しかける。 最近は、フットボールなどに押されているとはいえ、 野球はまだまだアメリカの国技なのだろう。 コメリカパークに行くのは初めてだったので、 駐車場ってどうなってるんだろう? と思ってググったらでてきた地図がこれだ↓ アメリカでは 利便性によって駐車料金が違うの

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    Itisango 2011/06/27
  • 全てを人口減少のせいにするのは無理がある - Willyの脳内日記

    Chikirinさんが最近のエントリーで 「日の将来を規定する最も重要な要因は、人口構成の変化だよん」と述べている。 確かにそれは、今後50年といった超長期で見たときにはある程度正しいと思うが、 それを、例えば、失われた20年の主な理由とするのは行き過ぎであると私は考えている。 理由1:人口減少は80年代には既に分かっていた 下の人口動態の図を見ていただくと分かると思うが 少なくとも1980年代(昭和55年~平成2年)の半ばには 日の出生数減少は明確なトレンドとして明らかになっていた。 また女性の初婚年齢は、90年代以降に急速に上がっているものの トレンド自体は80年代から既に明確であったことが分かる。 (出所:人口動態統計速報) (出所:http://www.garbagenews.net/archives/1219043.html 元データは人口動態調査) しかし、80年代を通して

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    Itisango 2011/06/24
  • 海外就労適性診断テスト - Willyの脳内日記

    池田信夫氏のブログエントリーのように 日の閉塞感や就職難から若者に海外留学を勧める向きが ジャーナリストの間に増えてきている。 これは、私が留学した2004年頃にはまだ見られなかった風潮だ。 しかし、masayang氏が書いているように 海外留学と海外就労の間には大きな違いがあるように思う。 無責任に勧めるのは棄民を促しているのと同じだ。 「じゃあ、どんな場合に留学後の海外就労が有望なの?」 というと説明しにくいので独断と偏見で数値化してみた。 (もちろん、特殊な才能がある場合は別だ。) <海外就労適性診断テスト> (全て Yes/No の二択) 1.旧帝大、東工大、早慶の上位学部、あるいは同程度の 日の大学に在籍していた事がある。あるいは受かる 自信がある。 2.アメリカの大学に行くなら理工系あるいは生命系(*1)だ。 (*1: ただし医学部、薬学部、歯学部などの職業的学位を除く。)

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    Itisango 2011/02/20
  • アメリカで数学を教えるということ - Willyの脳内日記

    数学はユニバーサルな分野であることは疑いがないが、 日の高校レベル、あるいはアメリカの学部中級レベルくらいまでは、 学生が期待する教え方は大きく異なるように思う。 1.アメリカでは簡潔な説明、日では詳しい説明 アメリカ人の学生は簡潔な説明を好み、 日の学生は詳しい説明を好む。 はじめにおかしいなと思ったのは米国W大M校の 大学院に入ったときのTAの研修の時だ。 現役のアメリカ人のTAが出てきて例題を一題解説した。 解説がギャップだらけでとてもじゃないが聞いてられない。 板書も汚い。しかし、教授陣の評価は上々である。 翌日、今度は自分が模擬授業をさせられた。 詳細な説明や板書で臨んだところ、 「回りくどいので簡潔に。 細かい話は必要なら後からすれば良い。」 と言われてしまった。 2.アメリカの教科書は冗長、日の教科書は簡潔 アメリカの学部入門向け教科書は異常に冗長だ。 余計なことがだ

  • 日本の労働時間は何故長いか? - Willyの脳内日記

    の労働環境を揶揄した「ニート海外就職日記」が相変わらず面白い。 そこで、今日は米国ではレイバー・デーだし 日米両方で働いたことがある人間として 日の労働時間がなぜ長いかということに関して いくつか理由を考えてみよう。 1.スキルに対する考え方の違い スタッフレベルの労働生産性に関して 日の生産性が低い一番の理由は スキルに対する考え方の違いであると思う。 日企業では業務に必要なスキルは従業員が業務時間を使って習得する 傾向にあるが、米国企業では各社員のスキルを所与と仮定して 遂行能力のある人材に仕事を振る傾向にある。 例えば、比較的大きな企業で社長が売り上げの季節性や構造変化を 統計的に分析せよと部下に命じたとしよう。 伝統的な日企業であれば、総務部の社員がちょっとやネットで 統計のことを調べ、統計ソフトの使い方を何とか理解し (分からなければExcelでも使って)分析して

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    Itisango 2010/09/06
  • クレジット・スコア~もう一つの格付け利権 - Willyの脳内日記

    アメリカの消費者向け信用市場では、 消費者それぞれに与えられるクレジット・スコアと 呼ばれる指標が重要な役割を果たす。 FICO社(旧 Fair Isaac社)が開発した FICO スコアと呼ばれるモデルが 業界標準となっており、この手法を元にクレジット・ビューローと呼ばれる Experian, TransUnion, Equifax 3社(営利企業)が 寡占的に情報の収集と提供を行っている。 渡米したばかりの日人が、初めにアメリカクレジットカードを作るのが 困難なのは、クレジット・スコアの元となるクレジット・ヒストリーが 存在しないためだ。 このスコアは、クレジット・カード、自動車ローン、住宅ローン、 公共料金の支払い遅延といった個人に関するあらゆる信用情報を ソーシャル・セキュリティー番号(SSN)などを使って紐付けて 信用力を算出したものだ。ただし、職業や年収は考慮されずせず、

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    Itisango 2010/09/05
  • 社会保障問題:世代間対立は無意味。分断工作を。 - Willyの脳内日記

    高齢化に伴う年金や医療を初めとする社会保障問題は 深刻で基的には世代間の負担の問題である。 しかしながら、日では現実的に世代間対立を先鋭化させる ことによってこの問題を改善することは不可能だろう。 日の人口動態を見れば、日の高齢化に伴う社会保障問題が 発生する事は80年代前半から予測できたはずなのに、 これまでに行われた制度の微調整は、年金保険料を上げたり 一部を税方式にして徴収能力を強化したりといった むしろ制度を肥大化させるものであった。 今後、有権者の高齢化が進めば、世代間の公平性を 上げるための改革は一層難しくなる。 高齢者がマジョリティーになる社会では、 経済問題も高齢者間の利益配分を中心に話が進む。 若年層が世代の利益を確保するには、 この利益配分争いにうまく付け入るしか方法がない。 仮にあなたが年金問題の世代間不公平を 改善させたい社会派の新聞記者だとしたら、 「高齢

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    Itisango 2010/08/28
  • 減価償却費を払う日本人、金利を払うアメリカ人 - Willyの脳内日記

    アメリカに来る前に私が持っていたステレオタイプは、 日人は生活を切り詰めてでもお金を貯め、 アメリカ人は借金をしてでも消費するというものであった。 いまでもこれは別に間違っているとは思っていない。 マクロでは日の貯蓄率は高齢化でアメリカ並みに下がっているが 日は高齢化が進んで貯蓄率は構造的に低くなることを考慮すれば 日人はまだまだ貯蓄好きだと言えるだろう。 しかし、しばらくアメリカに住んで思うことのは、 日人とアメリカ人ではお金の使い方が随分違う のではないかということだ。 一見倹約家に見える日人は、減価償却費をかなり払っている。 日では多くの人が新築で家を買うし、車は平均的に新しい。 2007年時点で日の乗用車の平均車齢は約7年だが、 米国では9.2年(NADA調べ, wikipediaより)だそうである。 私の友人は、米国にいたとき中古車を個人売買で安く買い、 2年間乗

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    Itisango 2010/07/29
  • 65歳以上の方へのお願い - Willyの脳内日記

    今日も28日の記事に引き続き団塊世代について書いているのは、 先週両親がはるばる日から訪れてきたのが理由だ。 母によると父は最近、文句が多くなっているらしい。 受けたサービスに不手際があったりすると、 すぐに文句を言ったり注文を付けたりするそうだ。 日には「お客様は神様」という文化があり、 日の慢性的な内需不足はそうした側面を助長している。 高齢者は自分がかつてお客様に尽くしてきたという自負があるからこそ、 引退後はますます「自分を神様として扱うよう」要求する。 しかし、高齢化による社会保障負担の増加と グローバル化による競争の激化によって労働者の賃金は下がり、 末端の従業員に質の高いサービスを求めるのは酷になってきている。 今後は労働力不足で、人手を使った至れり尽くせりのサービスは姿を消すだろう。 トロフィー型の社会(28日のエントリーを参照)では、 高齢者の態度的価値が重要になっ

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    Itisango 2010/05/03
  • 終身雇用は単なるオプション - Willyの脳内日記

    何日か前のものだが城繁幸さんのブログの 「人生にもクライマックスシリーズは必要」という記事が興味深い。 新聞社の地方支局で20代、30代の若手のメンタルトラブルが多発しているそうだ。 記事によると、 30代前半までに「社出世コース」と「地方ドサ回り兵隊コース」 に分けて後は30年間放置プレイなんて硬直的な人事制度こそが原因、 だという。 確かに「地方ドサ回り兵隊コース」に行かされた人の気持ちは分かる。 終身雇用制の企業では頑張って安月給で30歳過ぎまで働いたら 次は年功序列賃金で回収する番なので辞められない。 仕事はそれなり大変な一方で 一方で一生懸命やったところで出世は望めない。 人生が終わったような気がするのかも知れない。 しかし、メンタルトラブルにまでなるとしたら それは会社に拘りすぎというものだろう。 終身雇用は、労働者の義務ではなくて単なるオプション(権利)だ。 会社にいるのが

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    Itisango 2010/05/02
  • 働く必要さえなければ日本は天国 - Willyの脳内日記

    US News から、面白いニュースが報道された。記事は、 What do Japanese-American retirees know that we don't? (日系アメリカ人が知っていて、我々が知らないことって?) という一文から始まる。アメリカの年金を受け取っている人のうち 日に住んでいる人の割合が9年前の7倍の37,600人に達したとのことである。 人数で見ると、カナダ(105,000人, 19%増)、メキシコ(48,800人, 13%減)に 続いて3位だが伸び率は際立っている。 アメリカで働いたことのある多くの日人や日系アメリカ人が 老後は日に帰って暮らしているということが見て取れる。 アメリカの労働環境は日より優れた点が多いと考えられるので 若い頃はアメリカで働き、歳を取って引退したらサービスレベルの高い 日に帰って悠々自適に暮らす、というのは合理的に思える。

  • 書評:ルポ 貧困大国アメリカⅡ(堤未果) - Willyの脳内日記

    エッセイスト・クラブ賞を受賞した前作「ルポ・貧困大国アメリカ」の続編である。 筆者の堤未果氏は、昨日亡くなったジャーナリストのばばこういち氏を父に持ち、 薬害エイズ事件原告の川田龍平氏を夫に持つ。 前作同様、実地で行ったたくさんのインタビューを交えながら現代のアメリカの暗部を 見事に描き出し、読みやすい文章とインパクトのある数字を織り交ぜることで読者を引き込む。 書で取り上げる問題は、教育制度、健康保険制度、刑務所の3つだ。 先日のエントリーでも取り上げたように、 20年以上にわたって続く高等教育の学費の暴騰は 中流階級の多くの米国民にとって大きな懸念材料になっている。 書には、学費の高騰と民営化された奨学金制度の組み合わせによって いかに中流家庭の高等教育の機会平等が失われたかがはっきりと描かれている。 大学卒業後、多額の借り入れと高金利によって苦しむ米国民の 姿を描いたケースス

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    Itisango 2010/04/14
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