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ブックマーク / www.astroarts.co.jp (97)

  • 太陽系が生まれた場所は今より1万光年も銀河の内側

    天の川銀河内の元素組成を再現するようなモデル計算により、46億年前に太陽系が誕生した場所は現在よりも天の川銀河の中心に近く、1万光年ほど内側だった可能性が示された。 【2023年11月21日 鹿児島大学】 太陽系の重元素の量は、太陽の周辺にある同じ年代の他の星々とは異なっている。天の川銀河の中心部と外側では元素の量に違いがあることと合わせると、太陽系はもともと46億年前に現在とは異なる環境の場所で生まれ、その後今の場所まで移動してきたのではないかと考えられている。 天の川銀河の想像図。現在の太陽系は、銀河の中心から約2万6000光年の距離に位置している(提供:加藤恒彦、4D2U Project、NAOJ、ALMA (ESO/NAOJ/NARO)) 星は質量の違いによって進化の速さが異なり、その進化過程で合成される元素の供給過程が大きく変わる。具体的には、酸素、マグネシウム、ケイ素の一部は太

    太陽系が生まれた場所は今より1万光年も銀河の内側
  • ガンマ線観測でダークマター粒子の性質をしぼり込む新成果

  • 「迷子星」の光から銀河団の歴史をさぐる

  • 左手型アミノ酸の偏りを生む宇宙の光

    生命の材料となるアミノ酸がなぜか「左手型」分子ばかりである理由が、宇宙空間の円偏光の働きによるものだと示唆する新たな研究結果が得られた。 【2022年9月14日 筑波大学計算科学研究センター】 生命の材料として重要なアミノ酸は、分子の中心にある炭素原子に、アミノ基(-NH2)、カルボキシ基(-COOH)、水素(-H)、さらにあと1つの側鎖(-R)という4つの官能基が結合して正四面体のような構造になっている。そのため、-Rの部分にも水素が結合しているグリシンは例外として、それ以外のアミノ酸には全て、4つの結合の仕方に「左手型(L型)」と「右手型(D型)」の2通りが存在する。L型とD型の分子は互いに鏡像関係(鏡像異性体)になっている。アミノ酸のように左右の区別がある分子のことを「キラル分子」という。 アミノ酸の構造と鏡像異性体の例。アミノ酸の一種であるアラニン(-R がメチル基(-CH3))の

    左手型アミノ酸の偏りを生む宇宙の光
  • 天の川銀河に未知の衝突の痕跡

    位置天文衛星「ガイア」の観測データから、80億~100億年前に天の川銀河へ衝突合体した銀河の痕跡が見つかった。これまでに判明した過去の銀河衝突は6例目となる。 【2022年2月25日 ヨーロッパ宇宙機関】 私たちが存在する天の川銀河は約120億年前に形成され始めたと考えられているが、その120億年の歴史は、他の銀河との衝突合体の連続だった。こうした歴史を物語る、過去に衝突した銀河の跡は、ヨーロッパ宇宙機関の位置天文衛星「ガイア」で得られた無数の恒星の位置と速度のデータから次々と見つかっている。 独・マックスプランク天文学研究所のKhyati Malhanさんたちの研究チームも、天の川銀河と合体した銀河の残骸を探している。注目しているのは、天の川銀河の円盤面から離れた球状の領域「ハロー」だ。落下してきた銀河が短時間のうちに重力で引き裂かれてしまうと完全に散らばってしまって痕跡が残らないが、そ

    天の川銀河に未知の衝突の痕跡
  • 宇宙の歴史を再現する世界最大規模のシミュレーション

    国立天文台のスパコン「アテルイII」を使い、銀河や銀河団ができる様子を再現した世界最大規模の巨大シミュレーションが行われた。 【2021年9月17日 国立天文台CfCA】 宇宙には、原子などを形づくる普通の物質(バリオン)とは別に、「ダークマター(暗黒物質)」と呼ばれる、光で観測できない謎の物質がバリオンの5~6倍も存在する。宇宙の初期にはダークマターが自らの重力で集まって「ハロー」とよばれる巨大な構造を作り、このハローに集まったバリオンから最初の星々が生まれて銀河、銀河団が形成された。現在「宇宙の大規模構造」と呼ばれている銀河・銀河団の網目状の連なりは、こうして作られたとされる。 大規模構造が宇宙の歴史の中でどう作られ、銀河や活動銀河核がハローの中でどのように誕生・進化するかという問題は、天文学の大きな課題の一つだ。この謎を解明するために、たくさんの銀河を観測して宇宙の「地図」を作る様々

    宇宙の歴史を再現する世界最大規模のシミュレーション
  • 原子核をつなぐパイ中間子が軽い仕組みを理論的に証明

    この世に何種類もの元素が存在するのは、質量の小さなパイ中間子が、陽子や中性子を結びつける強い力を媒介するからだ。パイ中間子がその役目を果たせるほど軽い要因が理論的に証明された。 【2021年6月28日 カブリIPMU】 水素を除くあらゆる元素の原子核は、複数の陽子と中性子が「パイ中間子」の媒介する強い力で結びついている。同じ正の電荷を持つ陽子同士の間には電磁気力による反発力が生じるが、陽子の間を飛ぶパイ中間子が伝達する強い力はその電磁気力をはるかに上回る。これはパイ中間子の質量が極めて軽いからこそ成り立つことだ。仮にパイ中間子が重すぎたなら、陽子や中性子の間で強い力が届かなくなり、陽子1つで原子核を成す水素以外の元素は存在できなかっただろう。 パイ中間子の質量が軽い場合と重い場合のイラスト。(左)パイ中間子が重い場合、陽子の間でパイ中間子が強い力を媒介することができず、陽子同士は離れていく

    原子核をつなぐパイ中間子が軽い仕組みを理論的に証明
  • ダークマター不足の銀河、謎は深まる

    銀河NGC 1052-DF2がダークマターをほとんど含まないという異常は、この銀河までの距離が見積もりより近ければ解消できるとされていた。ところが距離を精査した結果、むしろ見積もりより遠かった。 【2021年6月25日 NASA】 私たちが認識する銀河の姿は、恒星や星雲などの目に見える物質によるものだ。しかし、宇宙に存在する物質の大半は電磁波で観測できないダークマターであり、銀河も基的に大部分がダークマターでできている。家が柱などの骨組みに沿って作られるように、星やその材料となる物質は、ダークマターの塊があって初めて銀河を形作るのだとされていた。 2018年、米・イェール大学のPieter van Dokkumさんたちの研究チームは、ダークマターをほとんど含まない銀河「NGC 1052-DF2」(以降DF2)をくじら座の方向に発見したと報告した(参照:「ダークマターのないシースルー銀河」

    ダークマター不足の銀河、謎は深まる
    Itisango
    Itisango 2021/06/27
  • 「子宇宙」から生まれた原始ブラックホールがあるかも

    Itisango
    Itisango 2021/01/09
  • 初めてとらえられた銀河団衝突の瞬間

    X線天文衛星「すざく」や電波望遠鏡などを用いた観測で、銀河団同士が衝突するときに発生する衝撃波が初めて観測された。銀河団の形成と進化の過程を理解するうえで重要な成果となる。 【2019年7月16日 理化学研究所/宇宙科学研究所】 宇宙では数百億~数千億個の星が集まって銀河が形成され、さらにその銀河が数百個以上も集まって銀河団が形成される。銀河団は宇宙の大規模構造の「節」の部分に対応していて、その直径は数億光年にも達しており、重力で束縛された天体としては宇宙で最大のものだ。 銀河団は宇宙の歴史の中で、互いに衝突と合体を繰り返すことで成長してきたと考えられている。銀河団同士の衝突が完了するまでには数十億年程度かかると推定されており、ある銀河団で衝突の全ての段階を観測することは不可能だ。そのため、銀河団の進化の歴史を調べるには、異なる衝突段階にある銀河団をスナップショットとして多数観測する必要が

    初めてとらえられた銀河団衝突の瞬間
  • 55年前からの謎、月の裏側高地問題を解決

    【2014年6月11日 Penn State University】 月の表側と裏側では、月の形成および進化の過程で地殻の厚みに差ができたため、裏側には「海」が存在していないのだという研究成果が発表された。 「子供のころ初めて月球儀を見たとき、月の表と裏があまりに違うので驚いたことを覚えています。裏側は山やクレーターだらけでした。一体海はどこにあるのか、それは1950年代からの謎でした」(理論モデルを発表したグループの米・ペンシルバニア州立大学所属 Jason Wrightさん)。 その謎は、旧ソビエト連邦が打ち上げた探査機「ルナ3号」によって月の裏側の画像が史上初めてとらえられた1959年から、「月の裏側高地問題(Lunar Farside Highlands Problem)」と呼ばれてきた。それまで誰も見ることができなかった月の裏側に、海が存在しないことが初めてわかったのである。 月

    55年前からの謎、月の裏側高地問題を解決
  • ふたご座流星群を生んだ小惑星、現役の彗星だった

    【2013年6月18日 The Astrophysical Journal】 12月中旬に明るい流れ星を見せるふたご座流星群の母天体とされる小惑星ファエトン。近年の観測で彗星状の尾が見つかり、現在も彗星として活動中であることがわかった。 小惑星ファエトンの軌道。公転周期はおよそ1年半。クリックで拡大(「ステラナビゲータ」でシミュレーション) 2009年(上段)と2012年(下段)の観測画像。白線に沿って画像右上が太陽方向。太陽とほぼ反対側に伸びているのがわかる。この観測時と同じ2009年6月20〜21日と2012年5月2〜3日に増光のピークが見られた。クリックで拡大(提供:D.Jewitt et al.) 毎年同じ時期に集中して流れ星が現われる「流星群」は、彗星が通り道に残していったダスト(塵)の流星物質が地球の大気にぶつかることで発光して見える現象だ。とりわけ12月中旬の「ふたご座流星群

    Itisango
    Itisango 2013/06/18
  • 星々の測量からわかる天の川銀河の全体像

    【2012年10月2日 国立天文台 水沢】 天の川銀河内の星の測定結果から、天の川銀河の中心から太陽系までの距離や銀河の回転速度が史上最高の精度で求められた。そこから推測される天の川銀河の質量、特に暗黒物質(ダークマター)の質量が、従来の予想よりかなり大きいことも判明した。 年周視差測定のイメージ。年周視差は遠い天体では小さく、近い天体は大きいため、視差を測れば天体までの距離がわかる。クリックで拡大(提供:国立天文台、以下同) VERAの望遠鏡の配置図。岩手県から沖縄県まで4か所の望遠鏡で同時に観測することで、口径約2300kmという日列島サイズの大きな望遠鏡と同じ性能を発揮する。クリックで拡大 天の川銀河を離れたところから見た想像図(右)と、精密測量が行われた52天体(赤い印)の分布(左)。クリックで拡大 今回の解析から得られた天の川銀河の基尺度。太陽系と天の川銀河の中心までの距離2

  • 木星に新しい衛星を2個発見 65個に

    【2011年6月3日 CBET 2734】 カナダの研究者らによって木星に新しい衛星が2個発見された。これで木星の衛星は合計65個となった。 国際天文学連合 (IAU) によると、木星に新しい衛星が2個発見され、それぞれに「S/2010 J 1」「S/2010 J 2」という仮符号が付けられた。昨年9月に発見され、その後確認観測を行っていたものだ。 「S/2010 J 1」は2010年9月7日(世界時。以下同)に、カナダ・ブリティッシュコロンビア大学のBrett Gladman氏、R. Jacobson氏、M. Brozovic氏、M. Alexandersen氏が、米パロマー天文台の5mヘール望遠鏡で発見した。公転周期は約2年。 米ハワイ・マウナケアの3.5mCFH望遠鏡で「S/2010 J 1」の確認観測を行ったフランスのC. Veillet氏が翌日の9月8日、もう一つの衛星を発見し、

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    Itisango 2012/09/30
  • 徐々に小さくなっている? 木星のコア

    【2011年12月21日 Science Now】 最新の計算結果によると、木星内部のコアはその周囲に「溶け出して」いる可能性があることがわかった。どのくらいの割合で溶け出ているのかはよくわかっていないが、木星の形成当初は現在よりもコアのサイズが大きかった可能性がある。 木星の中心には地球の重さのおよそ10倍にもなる金属や岩石、氷などでできたコアがあり、その周囲には強大な重力によって金属化した水素、さらにその外側に水素やヘリウムが存在している。 今回アメリカの研究チームは、木星のコアの岩石を構成する主要成分である酸化マグネシウム(MgO)が、惑星の中心部でヘリウムや水素と混じったときに何が起こるのかを調べた。木星の中心部の温度はおよそ1万6000度、圧力は4000万気圧と途方もなく大きなものと推定されており、実験室での再現実験ができない。そのため、量子力学的計算という手法を用いて、計算機に

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    Itisango 2012/09/30
  • 木星の大移動が火星を小さくした?

    【2011年6月9日 NASA】 シミュレーションによって、木星は太陽系形成初期に一度太陽に近づいた後、再び離れて現在の軌道に落ち着いた可能性があることがわかった。惑星が移動することはこれまでも指摘されてきたが、この結果では火星の質量が地球や金星と比べて小さいことも説明が可能だとしている。 原始太陽系円盤の想像図。クリックで拡大(提供:NASA/JPL-Caltech) 現在の木星と土星。クリックで拡大(提供:NASA/GSFC) 計算機の発達により、太陽系の惑星がどのように形成されたのかというシミュレーションが活発に行われている。今回発表されたのは、木星は一度火星軌道くらいまで太陽に近づいた後、現在の軌道に落ち着いたというシミュレーション結果だ。 現在、木星は太陽から5.2天文単位(1天文単位は地球と太陽の距離=約1億5000万km)の軌道を公転しているが、今回の結果によれば、木星は最初

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    Itisango 2012/09/30
  • 火星はかつて18℃の水が存在していた?

    【2011年10月19日 カリフォルニア工科大学】 火星隕石に含まれる鉱物の分析により、この鉱物が形成されたのは約40億年前の18℃前後の水の中であるらしいことがわかった。火星の過去の表面近くの温度環境が復元できたのはこれが初めてのことだ。 ALH84001。ALH84001全体では1.9kgの隕石として見つかっている。クリックで拡大(提供:NASA) ALH84001に含まれる炭酸塩(中央付近にあるオレンジ色の鉱物)。クリックで拡大(提供:NASA) 探査機が撮影した火星の地形の画像を見ると、デルタ地帯や川の跡のような、かつて水が流れたように見える場所が多く見つかっている。また隕石の分析によって、水が存在することで形成されたと思われる鉱物も複数見つかっており、火星には過去に大量の水が存在していたと思われている。 しかし現在の火星には大気がほとんどなく、気温も摂氏マイナス63度と非常に低い

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    Itisango 2012/09/30
  • 火星にドライアイスの降雪を初観測

    【2012年9月14日 NASA】 二酸化炭素の氷(ドライアイス)の存在が知られてきた火星の南極で、その氷を降らせる雪雲の存在が初めて確認された。 二酸化炭素の雪雲から南極に降ったドライアイスの粒の分布図。粒子の大きさで色分けされている。南極に近い中央が白く(=粒子が細かい)、外側は青くなっている(=粒子が粗い)。クリックで拡大(提供:NASA/JPL-Caltech) 火星の南極には二酸化炭素の氷(ドライアイス)が存在していることが数十年前から知られてきた。また、水の氷も2008年に見つかっている。そして今回、ドライアイスの雪を降らせる雲の存在が初めて明らかになった。 研究を行ったNASAジェット推進研究所のPaul Hayneさんは、「ドライアイスの雪を降らす雲の存在を決定的に確認した初めての例です。雲が二酸化炭素でできていることはまちがいなく、厚みもじゅうぶんで、火星の表面に積もるほ

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    Itisango 2012/09/30
  • 土星とエンケラドスの間に見られる電気的なやり取り

    【2011年4月22日 NASA】 探査機カッシーニが、土星とその衛星エンケラドスとの間に電気的なやり取りが行われていることを発見した。木星と衛星イオの間でも同様のものが見られていたが、土星で発見されたのは今回が初めてのことだ。 土星とエンケラドスをつなぐ「回路」のイメージ図。クリックで拡大(提供:NASA/JPL/JHUAPL/University of Colorado/Central Arizona College/SSI) 白く囲まれた部分が、土星に映るエンケラドス起源のオーロラ。時間が経つとエンケラドスの公転周期と同じ周期で回転しているのがわかる。中央の明るい環状のものは通常観測される土星のオーロラ。クリックで拡大(提供:NASA/JPL/University of Colorado/Central Arizona College) 土星には紫外線で観測できるオーロラが存在してい

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    Itisango 2012/09/29
  • 土星の衛星タイタンに氷火山は存在しないか

    【2011年4月12日 NASA】 土星探査機カッシーニによる衛星タイタンの表面の観測結果から、タイタンには内部の熱が十分になく、氷の火山は存在していない可能性がでてきた。存在していないとすれば、タイタンの厚い大気の形成原因は火山ではなく、表面の地形も風雨や隕石の衝突によってできたものと考えられる。 カッシーニによるタイタンと土星。広角カメラで赤、緑、青の3枚のフィルターを用いて撮影し合成。クリックで拡大(提供:NASA/JPL/Space Science Institute) 地表が雨に打たれたときのシミュレーション結果。左は雨による侵を受ける前の地形を示し、右は雨による侵を受けてクレーターが引き伸ばされた地形を示す。火山の火口のように変化していることがわかる。クリックで拡大(提供:A. Howard) タイタンは土星の衛星の中では最も大きく、太陽系全体で見ても4番目に大きな衛星であ

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    Itisango 2012/09/29