ここまで進んだ最新治療 子供も大人と同様に4~5人に1人は、何らかの睡眠の問題を抱えているといわれる。特に「自閉スペクトラム症(ASD)」や「注意欠如・多動症(ADHD)」などの発達障害(神経発達症)の子供は睡眠障害を合併することが多いが、これまで承認された睡眠改善薬がなかった。 それが今年6月に、発達障害の子供に対して保険適用で使える国内初の睡眠改善薬(商品名・メラトベル)が発売された。発達障害と睡眠障害にどんな関係があるのか。獨協医科大学埼玉医療センター・子どものこころ診療センターの作田亮一教授が説明する。 「ASDの40~80%、ADHDの25~50%に睡眠障害がみられるといわれます。寝付きが悪い、夜中に目を覚ましてしまうなど慢性的な睡眠不足があると、日中の多動やちょっとしたことで興奮しやすい、イライラなど感情コントロールができない発達障害の症状が強く出て、それがまた睡眠の問題を悪化