現状の設計手順にある根本的な問題 ところが前述の通り、現状では「アプリケーションの仕様を最初にまとめ、それらに基づいてデータベース構造を決めてゆく」という進め方が圧倒的に多い。こういった手法をPOA(プロセス指向アプローチ)という。 POAの中心的な設計課題はプロセス、すなわちUIやデータ処理ロジックを含むアプリケーション仕様、そしてユースケースや業務フローである。だが、このやり方では、データベースが「個々のアプリケーションが入出力するデータの保管場所」とみなされてしまう。結果的に、関数従属性が考慮されない、"one fact in one place"からほど遠いデータベースになる。 もちろんPOAであっても「あるべき姿」を目指す建前にはなっている。まず、現行の業務フローやUIやアプリケーションの仕様を手間暇かけて分析・整理する。これがAs-Is(現状)と呼ばれる基礎資料で、これを起点と

