英領バージン諸島やバハマ、セーシェル島など租税回避地での法人設立や維持を主業務にしていたパナマの法律事務所「モサック・フォンセカ(MF)」社内で作成されたメールやPDFファイルなどの電子ファイル。流出したものを国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が「パナマ文書」と名付けた。 信頼回復を狙い隠蔽工作 今回流出した文書によると、MFは16年9~10月に虚偽文書の作成を企てた。同年4月の「パナマ文書」報道で、アルゼンチンのマクリ大統領とその父らが、カリブ海のバハマの会社役員になっていたことが報じられたためだ。MFはそれを報道まで把握せず、顧客確認を怠っていたことが露呈しそうになっていた。 MFはマクリ氏の会計士に対し、「16年4月より数年前に経営陣を確認していた」という手書きの文書を作成できないかと打診。だが会計士から「リスクが高すぎる。筆跡の専門家が見たらすぐにばれる」と断られ、企ては頓