【ベルリン=黒沢潤】セルビアで11日行われた総選挙は即日開票の結果、事前の予想を大きく覆し、親欧派である民主党主体の政党連合が大差で勝利した。欧州連合(EU)への早期加盟を期待する国民の意思の表れといえる。ただ、同連合は過半数を占めることができず、EUと距離を置く政党などの民族主義政権が樹立される可能性もある。 AP通信が伝えた暫定開票結果によれば、民主党を主体とする政党連合の得票率は39%。選挙前に第1党だった極右民族政党のセルビア急進党は28・6%にとどまった。コシュトニツァ首相の穏健民族政党セルビア民主党は11・6%、ミロシェビッチ元ユーゴスラビア大統領のセルビア社会党は8・2%。 民主党のタディッチ大統領は開票後、「セルビアは疑いもなく、欧州への道(EU加盟)を信任した」と勝利を宣言。同党を主体とする政党連合の勝利は、親欧派を支援するEUが先月末、タディッチ大統領をルクセンブルクに