異業種転々、夢つかむ 来年3月に開業する北海道新幹線(新函館北斗−新青森間)。高速車両のハンドルを握るJR北海道の運転士35人の中に、異業種を渡り歩いた末に50歳で夢をつかんだ男性がいる。運転士最年長の安斉宣雄さん(53)。50代での新幹線免許取得は全国でも異例で、「年をとっても諦めない姿を若い人たちに見せたい」と、最新型車両に古参の経験を生かそうとしている。【久野華代】 【おもてなし最上級】北海道新幹線、車両に凝らされた工夫とは 父日出夫さん(81)はSL機関車の運転士で、鉄道マンは小さい頃から身近だった。地元の旭川工業高を卒業する際、旧国鉄を受験しようとしたが視力の基準を満たせずに断念。本州の自動車関連企業に就職した。 だが鉄道への憧れは募り、1982年に旧国鉄に転職。運転士の志望者は多く、関連会社で10年以上、コンピュータープログラマーだった。97年ごろに本社異動になると迷わず