最近、このことばを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。「ヘリコプター」と「お金」? 手品のタネか、新手の詐欺か。不思議な組み合わせのことば。しかし、このことばが飛び交う背景には、日本の経済や財政の深刻な状況があるようです。 市場動かす“幻影” 7月12日、1人の初老の外国人が総理大臣官邸を訪れました。名前はベン・バーナンキ。おととしまで、アメリカのFRB=連邦準備制度理事会の議長を務めていた人物です。 バーナンキ前議長が安倍総理大臣と会談したというニュースが伝わると為替相場では円を売る動きが強まり、円は一時、1円以上、値下がりしました。円安を受けて、東京株式市場では、日経平均株価がおよそ半月ぶりに1万6000円台を回復。いったい何が起きたのでしょうか。 市場関係者によりますと、バーナンキ前議長が安倍総理大臣に対して、「ヘリコプターマネー」の導入を進言したのではないかという憶測が駆