神奈川県横浜市鶴見区内の“開かずの踏切”で歩行者が列車にはねられて死亡する事故が発生した。近年、踏切事故は減少傾向にあるが、それでも線路内で人や車が走行中の列車と衝突する事故は後を絶たない。これまで国や地方自治体は踏切事故をなくすためにどんな対策を取ってきたのか──。フリーランスライターの小川裕夫氏が解説する。(JBpress編集部) 国交省も把握し切れない「勝手踏切」の数 2024年9月29日、神奈川県横浜市鶴見区内で、踏切を渡っている途中の歩行者が列車にはねられて死亡する事故が発生した。事故が発生した踏切は、JR線の東海道本線と京浜東北線の線路を6本またぎ、京急電鉄の線路とも隣接する。京浜東北線と東海道本線の線路が少し離れているため途中に待機スペースが設けられているという特殊な構造の踏切だった。