3月15日に開業から半世紀を迎える山陽新幹線。兵庫県内には、新神戸、西明石、姫路、相生の4駅があるものの、平均駅間距離は約21キロしかなく、先に運行を始めた東海道新幹線の約43キロ(当時)の半分にも満たない。集中的に駅が並ぶ背景を探っていくと、「政治駅」の風聞とともに、幻の「夜行新幹線計画」が浮かび上がる。 「政治駅」。新幹線駅の開業に当たって、たびたび話題となるのが政治家の影響力だ。 兵庫県内に集中する4駅では、相生駅が該当する。「なぜ小都市の相生に駅ができたのか」という理由に対し、地元住民は一様にある衆院議員の名前を挙げる。相生市出身で、自民党河本派の領袖(りょうしゅう)だった故河本敏夫氏だ。 河本氏の秘書として25年間仕えた谷口芳紀・相生市長は、こう明かしている。「旧国鉄の車両基地を相生市若狭野町に整備する計画があったが、姫路に流れた。それで河本さんが『落とし前』をつけさせた結果、代