荒木:5月14日、飯島勲内閣官房参与が突然に北朝鮮を訪れ、同国政府高官と拉致問題を協議しました。一方、5月7日に韓国の朴槿恵大統領はオバマ大統領とワシントンで会談しました。朴槿恵大統領は6月にも訪中し、習近平主席と会います。構造ががらりと変りそうな朝鮮半島情勢を、鈴置さんと話し合います。 飯島訪朝は非常に唐突でした。でも、飯島氏の慎重さ、あるいは大胆さを考えると、今回の訪朝はパフォーマンスや思いつきではないはずです。 安倍晋三首相は拉致問題に長く関わり、2002年の小泉訪朝にも同行しています。安倍さんの脳裏には当時の北朝鮮の状況――中国との関係が悪化し、米国との関係は良くならないという状況下で日本に擦り寄ってきた――が強く刻まれているようです。 北朝鮮のミサイル発射や核実験により関係各国は「結局、中国は北にさほど影響力を持っていないのではないか」と見なしました。北朝鮮に面子を潰された中国は