中国ではインターネット人口が、2009年末段階で3億8400万人に達した。中国におけるインターネットは、既存のメディアより自由度が高く、ユーザー自らの情報発信も可能なことから、特に若い人たちがアクセスするメディアの中心的存在になりつつある。最近はネットが報じる「特ダネ」を既存メディアが後追いするケースも多い。本稿では、中国におけるネットがメディアひいては中国社会そのものをどこまで変えられるのかという観点から考察を行う。 北海道大学大学院東アジアメディア研究センターでは2010年1月、東京と札幌で中国のインターネットと言論の自由をメインテーマに日中国際シンポジウムを開催した。そこでは中国側の各報告者から、2009年にネット上で、地方政府が隠そうとした様々な問題が「特ダネ」として暴露され、ネットユーザー達の圧力が社会正義の実現に貢献した実例が報告された。また、「弱者の武器」と言われる「パロディ
中国では最近、インターネットの世界の中でも更に“ニューメディア”の部類に入る「ツイッター」(Twitter)や「ミニブログ」(Microblogging)の影響力が注目を集めている。中国ではツイッター(中国語で「推特」)自体はYoutubeなどと同様、公式には利用が禁止され、10万人程度といわれる一部ユーザーが非合法の状態で利用しているが、一般のミニブログ(中国語で「微博」)は政府公認で、ユーザーは既に1 億2500万人に達している。 中国のツイッターやミニブログのユーザーの間で人気が高いオピニオンリーダーの安替(Michael Anti)氏が2010年10月に初来日したのを機に、ツイッターやブログが成長する環境の中で、安替氏が指摘する中国メディアと日本メディアの現状と諸課題について紹介し、考察する。 中国では、09年7月のウイグル暴動が新華社よりも早くツイッターで伝えられるなど、ツイッタ
中国では最近、ブログ・ミニブログを中心としたニューメディアの普及が急速に進んでいる。中国メディアと言えば従来は「新華社」「人民日報」「中国中央テレビ(CCTV)」といった、中国共産党が直接的コントロールする伝統メディアが中核をなしていたが、インターネットの時代に入り、ブログやミニブログが普及すると、誰でも発信できることや読者の反応も掲載されるという双方向性などが若者を中心とした市民の強い支持を集め、今や中国メディアにおける主流の座を伝統メディアから奪い取る勢いである。こうした中国のニューメディアについて、2012年7月に日中メディア交流事業で来日したブログジャーナリストにインタビューすることで、中国のメディアがより自由なジャーナリズムを目指して変わりつつある現状を明らかにした。こういった一種の“自由化”は、中国の政府当局が海外への批判のみを容認した場合、極端な民族主義、具体的には「反日」に
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く