東日本大震災から2年5カ月が経つ今なお、多くのがれきが北米太平洋西海岸に流れ着いていることに驚愕した。今月上旬、震災関連の映画を制作しているというカナダのスタッフが、日本から漂着した品々やサンプル写真を持参し本紙を訪れた。「思い出の品を持ち主に返してあげたい」。その思いに少しでも協力できれば、と思った。 恵比寿さまの置物や寄せ書きしたバレーボール、名前入りのビーチサンダル…。これらは、津波で流され、米国やカナダの太平洋岸に漂着したものだ。 震災後、北米沿岸に日本語で寄せ書きしたボールが流れ着き、拾い主から元の所有者に返還されるという〝美談〟がマスコミに取り上げられたが、次々と漂流物が着き始めると、〝国境なきがれき〟の処理問題は深刻化した。 一方で、自分たちが住む北米まで震災がれきが漂着するというニュースを知った人たちが、震災がれきや漂着ごみを清掃するボランティア活動を継続的に行ってい