9歳のさきちゃんは、お母さんとふたり暮らし。何気ないけれど、温かく愛情あふれる日常生活がそこにはあった。ほのぼのとした、母と娘の物語。 母と娘。ふたりは寄り添い、信頼し合い生きている。何気ない会話の中には、相手への愛がいっぱい詰まっている。それは、読んでいて泣きたくなるほどだ。みんながこういう親子関係なら、虐待などという悲惨なことが起こらないのに・・・。おだやかに、本当におだやかに時が流れている。その心地よさに、いつまでもいつまでもこの本を読んでいたいと思ってしまう。さきちゃんはこれからどんどん大きくなる。けれど、大人になっても、今持っている心を大切にしてほしいと思う。「お金や高価な物なんかたくさんなくていい。もっと大切なものがこの世の中にはある。」そのことを、いつまでも忘れないでいてほしい。読んでいると心が癒され、和んでいくような感じがする作品だった。イラストも、作品の内容にぴったりでと