![Amazon.co.jp: 凍りのくじら (講談社文庫): 辻村深月: 本](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/dd341ea487950eb8bf984ef395eff89b16b03e86/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fm.media-amazon.com%2Fimages%2FI%2F51l5Ck236PL._SL500_.jpg)
小学5年生の春、トシは「嫌い」とか「近づかない方がいい」と言われていたワタルと友達になった。その時からクラスメートのトシに対する態度が変わり始めた。どんなことがあってもワタルとの友達関係を続けていこうと決心したトシだったが、ある日思いも寄らぬことが起こった。表題作「ロードムービー」を含む3編を収録。 「冷たい校舎の時は止まる」に登場した人物たちに再び会うことができ、何だかなつかしい気持ちになった。もちろん、「冷たい・・・」を読んでいなくても充分この作品を味わうことはできる。 トシとワタルの物語を描いた「ロードムービー」、塾の生徒千晶とバイトの先生のふれあいを描いた「道の先」、心に傷を負った少年ヒロと彼の力になりたいと思う少女みーちゃんを描いた「雪の降る道」、3編どれもよかった。 自分ではどうにもできないことがある。そんな時、幼い心はおびえ、とまどい、不安に押しつぶされそうになる。そこに、誰
始まりは高校3年生の男の子の行方不明事件だった。その後次々に起こる事件。カギを握る木村浅葱の心に潜むものは?また、ゲーム感覚の殺人事件に隠された驚愕の秘密とは? 「i」という謎の人物。その人物と会うことを切に望む木村浅葱。会うために続けられる残酷なゲームの犠牲になる人たち。その内容はあまりにも衝撃的で、読んでいてつらくなるほどだった。「ここまでしなけらばならないのか・・・。」浅葱が持つ異常さには言葉もない。だが、同情する余地などないはずなのに、彼の心のうちを知れば知るほど切ない気持ちにさせられていく。彼の生い立ちも哀れだ。心を通い合わせていたはずの狐塚孝太や月子と、浅葱との関係も切ない。だが、切ないばかりではない。ラストに待っていた真実には驚かされた。 ストーリーが立体的に組み立てられ、登場人物の描写もていねいで、文庫本上下あわせて1000ページの大作だが長さをまったく感じなかった。幅も深
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