【ハバナ和田浩明】オバマ米大統領とキューバのラウル・カストロ国家評議会議長による21日の共同記者会見では、人権問題を巡り激しい応酬があった。最初に発言したカストロ氏が米国社会の格差や人種問題などを皮肉る一方、オバマ氏はキューバでの人権侵害を改めて問題視するなど、この問題を巡る両国の溝の深さを改めて露呈した。 カストロ氏はキューバの人権状況に関し、医療や教育も人権の一部であり、社会主義国のキューバでは無料で提供していると胸を張った。「政府がこうした権利を守らないのは、私には考えられない」と指摘。学生が高額の学費を払うためローン返済に苦しみ、国民皆保険も実現していない米国の現状を批判した形だ。