ただ今回のレースは、角田にとっても、チームにとっても、簡単なレースではなかった。しかし角田はしっかりとペースをコントロール。一方もチームは適切なタイミングでピットに呼び戻し、無難なタイヤ交換作業を行なった。それにより幸運も味方につけつつ、好結果を手にすることができたレースだった。 角田は1回目のスタートでミディアムタイヤを選択したが、これは大失敗。10番グリッドからのスタートだったが蹴り出しが悪く、ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)とバルテリ・ボッタス(キック・ザウバー)に先行され、12番手にポジションを落とした。 中でもヒュルケンベルグ擁するハースは、今回のレースでも最高速が伸びており、前に出してしまうと厄介な相手だった。決勝では全4箇所の速度計測地点のうち3箇所でヒュルケンベルグが最速……これは予選でも同様であり、この時点では角田にとって厳しいレースになったと思われた。 しかしスタート直