渡良瀬川をまたぐ緑色の三連アーチが特徴の足利市のシンボル橋「中橋」は、両岸の進入部分の堤防が周囲より約二・五メートル低く、大雨時に氾濫する危険がある。国は重要水防箇所として危険度Aランクに指定するが、半世紀に及ぶ架け替え議論は進んでいない。総事業費百億円とも言われるが、全国で相次ぐ大型台風被害など激化する自然災害を背景に、機運が一気に高まっている。 (梅村武史) 中橋は老朽化も深刻で、車道、歩道も狭い。架け替えの際は、河川を管理する国と道路を管理する県が費用を負担し、周辺整備は市が担う。総事業費は公開されていないが、一部関係者は仮橋設置や現橋の解体を含め約百億円を見積もる。 鬼怒川が氾濫した二〇一五年九月の関東・東北水害などを受け、国、県、市は一六年七月、「中橋整備検討委員会」(委員長・高田昇一国土交通省渡良瀬川河川事務所長)をつくり、検討を重ねてきた。今年三月、周辺住民を集めた説明会で大