コメの需給逼迫(ひっぱく)や価格高騰が、京都府亀岡市で有機米を作る農家にも波紋を広げている。食用米の供給増を取引先から求められ、一定の農薬を使う通常の慣行栽培と比べて収量が少なくなる傾向にある有機栽培の作付けを減らし、慣行米に戻す動きが出ている。当事者は「難しい判断だった」とした上で「有機米に魅力を感じて生産していたが、状況が一変した。今はコメの生産量を上げなければいけない」と漏らした。 市は農薬や化学肥料を使わない有機米の生産を促進しており、2021年度から小学校給食に使う取り組みを進めている。昨年度は24組の協力農家から、生産した有機米の大半に当たる約50トンを購入した。ただ、昨年夏以降の「令和の米騒動」を受け、今年は生産現場の一部で変化が起きた。 学校給食の取り組みに協力してきた市内の農業経営者は今春、有機米の作付面積を9割以上減らし、慣行米の栽培に振り替えた。理由は「必要なコメの量
