[2010年08月13日(金)] 【プロ野球】コーチの真髄(3)〜横浜・杉村繁「ふたりの大打者を育てた挫折組のあふれる愛情」 石塚 隆●取材・文 text by Ishizuka Takashi photo by Nikkan sports 05年に青木宣親が達成した“史上2人目となるシーズン200安打”、そして08年、その青木と首位打者争いをして内川聖一が残した“右打者史上最高打率の.378”。ともに球史を飾る偉大な記録であるが、この偉業の裏には、ひとりのコーチの存在があった。 「いや、僕はたいしたことしてないよ。すべては彼らの努力。僕を持ち上げ過ぎだって」 そう謙遜し笑うのは、元ヤクルトの打撃コーチであり、現在横浜の打撃チーフコーチを務める杉村繁だ。入団2年目でほとんど1軍経験のない青木と、当時レギュラーに定着できなかった内川の資質を見出した杉村だが、このふたりには共通点があったと言