NHKドキュメンタリーの字幕問題、民放の人気ドラマの過激な描写――。テレビ番組によるデモへの偏見が問われる事態が相次いだ。社会はなぜこんなにデモに冷たいのだろう。「社会運動と若者」(ナカニシヤ出版)の著書のある立命館大学准教授の富永京子さん(35)に話を聞くと「実は私もデモ参加は苦手なんです」と驚きの発言が。真意はどこにあるのだろうか。【山下智恵/デジタル報道センター】 番組が表したデモへの偏見 二つの番組は、いずれも放送直後から、デモを冷笑する社会の空気を反映・増幅するものとして、インターネット上などで批判が上がった。 一つは2021年末にNHKのBS1で放送されたドキュメンタリー「河瀬直美が見つめた東京五輪」。反五輪デモに参加した男性に「お金をもらって動員されていると打ち明けた」という字幕を付けたが、NHKは2月10日、字幕が誤りだと認めて謝罪した。 もう一つは、テレビ朝日の人気刑事ド