シノン城行の仲間粘り強い交渉の結果、ヴォークルール城主ロベール・ド・ボードリクールからシャルル7世の待つシノン城へと向かうことが許されたジャンヌ・ダルクには六人の護衛がつけられた。準騎士ジャン・ド・メス(ジャン・ド・ヌイヨンポン)とその従者ジャン・ド・オンクール、準騎士ベルトラン・ド・プーランジとその従者ジュリアン、弓兵リシャール・ラルシュ、王国伝令使コレ・ド・ヴィエンヌである。 ジャン・ド・メス(ジャン・ド・ヌイヨンポン)ヴォークルール城主ロベール・ド・ボードリクール配下の準騎士。はじめてジャンヌがヴォークルールに現れて城主に会いたいと城下で言いはじめたのが1428年5月13日の前後である。その後、街中でジャンヌを見かけたヌイヨンポンは赤い服を着た彼女をからかってみたところ、真摯な受け答えをされて驚き、態度を改めて彼女――ジャンヌ・ラ・ピュセル――をシャルル7世のもとへ連れていくことを約