ところが、この先進民主主義国家英国での平和的抗議行動は無軌道な暴動へと発展、暴徒と化した民衆は略奪や放火を繰り返し、多くの逮捕者と甚大な経済的損害を出す結果となってしまった。 これまで、英国でも暴動はたびたび起きてきた。その原因としては、まずは失業、そして階級社会、人種差別、格差社会といったことへの不満が爆発したということがいつも語られていた。 しかし、今回の暴動参加者の政治的社会的背景は多岐に渡り、一元的に理由づけすることは難しい。 「Recreational riot」と表現されるお気楽な参加者も数多くいたようで、そうした者へと暴動が「伝染」していくのに、SNSが大きな役割を果たしたという。 「アラブの春」という民主主義への道をこじ開けたのがSNSなら、暴動というカオスへと民衆を導いたのもSNSだったのである。 模倣犯による犯罪の連鎖 鉄道線路への置き石から凶悪な強盗に至るまで、犯罪の