「人と一緒に音楽を作っていけるAI(人工知能)技術でありたい」――。そう話すのは、深層学習(ディープラ-ニング)技術を活用した歌声合成ソフトウエア「VOCALOID:AI(ボーカロイド:エーアイ)」を開発した、ヤマハ研究開発統括部第1研究開発部AIグループ主任の大道竜之介氏だ。 「合成音声でも、歌手と対話しながら制作するように楽曲を作れるようになった」(同氏)。AIはメロディーと歌詞から自律的に楽曲を解釈し、出力するたびに歌い方を変えてくる。それは、あたかも実際の歌手と一緒に制作しているようだという。 VOCALOID:AIは、歌声合成ソフトウエアの既存製品「VOCALOID」シリーズのノウハウを基にして、ヤマハが以前から研究開発してきた新しい歌声合成エンジンを使用する。既存のVOCALOIDシリーズは、人の歌声を収録した音のデータベースから切り出した波形をつなぎ合わせる、波形接続型の歌声