【承前】 少しだけ半径を狭めてもグルグルと。 - 展覧会は、当面、一種の「異界」ではあるだろう。当面、人はそこに、日常とは「異なるもの」を求めに行く。仮にそこにあるものが日常的なもののみで構成されていたとしても、それでもそれが「異なるもの」として現れているのが展覧会であるとする事に対して、積極的な異論を挟む必要性を余り感じない。 行きたくないのに強制的に行かせられてしまう(例えば学校の美術鑑賞の課外授業で、お腹が痛くなってしまう子供が出てしまう様に)という抑圧的なケースが皆無であるとは言わないが、多くの場合、展覧会という「異界」は自ら望み好んで訪れる場所である。それは「死」の様に不可避的なものではなく、確かに行かなくても済むものではある。 それでも自ら望み好んで訪れ、しかもそれが非常に好ましいもので、「現世」からの離脱やそれに対する抵抗をもたらしてくれる展覧会であったとしても、人は永遠にそ