配偶者控除制度を巡っては、2012年度の衆院選において民主党がマニフェストにその廃止を明記していた。配偶者控除を廃止することで得られる追加的財源を児童手当に回すという、従来の民主党の政策にかなったものであった。 一方、戦後一貫して「夫が稼いで妻がそれを支える」という「男性稼ぎ手モデル」を尊重してきた自民党は、2013年の参院選においても配偶者控除の維持をマニフェストに掲げており、その路線はある程度継続する可能性もあった。 しかしこの流れは変わり始める。内閣府のもとに設置されていた「経済社会構造に関する有識者会議」は、2013年の6月に第10回の会議を開催し、そこでは「成長のための人的資源活用検討専門チーム」が同年4月にまとめた報告書が資料として提出された。そのなかには、経済成長を牽引するためには人的資源の形成が必要であり、そのためには「配偶者控除などによって、就業が不利にならないようにする
![女性の就労を阻害する「壁」をどのように崩すか――配偶者控除廃止の検証 / 筒井淳也 / 計量社会学 | SYNODOS -シノドス-](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/cd1e56e55c3beea608866dd206bb504787e21450/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fsynodos.jp%2Fwp2%2Fwp-content%2Fuploads%2F2021%2F06%2F4721135346_42c2802702_z-1.jpg)