体長1ミリメートルにも満たない小さな体に4対の肢をもち、宇宙空間に放り出されても生存できる生きもの。それが私の研究対象、クマムシである。 ヨコヅナクマムシ (写真: 堀川大樹・行弘文子) クマムシは緩歩動物とよばれる分類体系上のグループに属しており、これまでに1000種類以上が知られている。クマムシのすみかは種類ごとに異なり、バラエティに富んでいる。 熱帯雨林の樹表にへばりついているもの、南極の氷河にできた水たまりに潜んでいるもの、深海の砂底に埋もれて過ごすものまでいる。陸に棲む種類のクマムシは乾燥すると仮死状態になり、極限的ストレスにさらされた後も、吸水すると復活する。 ヨコヅナクマムシの脱水と再吸水後の復活の様子(撮影:堀川大樹) 私たちの身近なところ、例えば、駅前の駐車場の隅っこにちょこんと生えた干からびたコケなどにも棲んでいる。日本国にあまねく存在する八百万の神々と同様、いや、それ
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