新製品の大量投入や海外ブランドの参入など、2014年もヘッドホン、イヤホンシーンは賑やかだった。「ハイレゾ」をまたとない契機と捉え、製品企画のコンセプトとして据えたものが数多く出回ったのはご存知のことだろう。 それに伴って、価格、性能などハイエンドにシフトする傾向にあった。逆に、ShureやAKGのような高価格モデルを有するブランドからカジュアルなラインも登場した。これによって製品の選択肢やバリエーションが広がったといってもよいだろう。既存のブランドが得意としている領域以外にも、積極的に攻勢をかけているのだ。 それはこの市場の隆盛を物語っている一方で、音楽を聴かせる装置としてある程度の到達点を迎えたともとれる。イヤホンでは複数のドライバを組み込む方式が、ヘッドホンでは振動板やイヤパッドの素材へのこだわりといった、これまでの技術をベースにした、マイナーチェンジ的な進化に止まっているからだ。