セルビア人勢力による虐殺があったクロアチア東部ブコバルを訪れ、キャンドルを手に哀悼の意を表すタディッチ・セルビア大統領=2010年11月4日、AP 【ウィーン樋口直樹】セルビアのタディッチ大統領が、90年代の旧ユーゴ紛争でセルビア人勢力による虐殺が行われた隣国への慰霊行脚を続けている。「第二次大戦後最悪の虐殺」と呼ばれるスレブレニツァ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)への今夏の訪問に続き、今月初めにはセルビア大統領として初めてクロアチア東部ブコバルで犠牲者に哀悼の意を示し、謝罪した。 【写真で振り返る】コソボ紛争 独立への道程 旧ユーゴスラビアの解体に伴う90年代の紛争は、独立を図るクロアチアやボスニアに対し、セルビア系住民の保護を名目にセルビア本国が介入する形で展開。クロアチア系やイスラム系の武装勢力による虐殺も頻発した。 セルビアは欧州連合(EU)加盟を目指しているが、隣国との和解が事