6月まで時間があるのですから、改正案に反対するだけではなく、現行の東京都青少年の健全な育成に関する条例(東京都青少年健全育成条例)を徹底的に洗い直し、改善しうる点があるかどうかを検討すべきです。 私は、そもそも、理念において、不健全(有害)図書指定制度自体について懐疑的です。ですが、東京都青少年健全育成条例については、事業者による自主規制の尊重を明記しており、問題はありますが、表現の自由を尊重する形での運用に向けた努力がなされてきたことは、一定の評価をしたいと思います。 これまでの運用の流れからは、今回のような異常な条例案は出て来ない筈です。では、何があったのか? 前回の東京都青少年健全育成条例の「改定」は2004年のことでした。実は、2004年の条例改定後、青少年条例の担当部局が従来の生活文化局から、新設された青少年・治安対策本部に移管されています。青少年問題の取り組みが福祉的対応から取