中東民主化 混乱が激しく人道危機も 2011年7月18日 10:56 カテゴリー:コラム > 社説 北半球は夏を迎えているが、「アラブの春」は足踏み状態だ。 北アフリカのチュニジアで1月、民主化を求める市民のデモが長期独裁のベンアリ政権を倒した。これを受けて、北アフリカ・中東のアラブ世界全域に民主化の動きが波及しそうな勢いとなり、「アラブの春」の言葉も生まれた。 しかし、現在までにこの地域で独裁政権を倒したのは、チュニジアとエジプトの2国にとどまっている。他の国では政権が軍や治安警察をフルに使い、反体制派への攻撃を強めている。 サウジアラビア、バーレーン、オマーンなどでは、当局の弾圧と懐柔によりデモは沈静化した。チュニジアの「ジャスミン革命」から半年を経て、中東の民主化は難しい局面に差しかかっている。 現時点で、とくに混乱が激しいのがリビアとシリアだ。 リビアでは、2月からカダフィ大佐