日本には「日本精神」というべき独特の精神がある。しかし、この「日本精神」について、あるのは分かっているけれども、それが何なのか自分たちではよく分からないところがある。むしろ、外国人が考察してくれたほうがよく分かる。 先日ベトナムを訪れたとき、ベトナムでは猫の首には縄をつけるが、犬にはつけないという話を聞いた。その理由を聞くと、ベトナム人は「分かりません、それが当たり前なのです」という。自分たちが日常行なってきたことに、別に理由はないということだ。わたしが「日本では反対です」というと、「変な国ですね」と言われた。 また、国立民族学博物館の責任者と話したとき、その人はこんなことを言っていた。 民族学博物館には国際民俗文化に関する資料が展示されているのだが、以前はアフリカの資料の説明書きには「マサイ族のヤリ」などと書けば済んでいた。しかし最近は国際化の時代となり、マサイ族の人が見に来