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ブックマーク / cpplover.blogspot.com (9)

  • AMDのZen 2でRDRANDが-1を返すので最近のGNU/Linuxがブートできない問題

    AMDのZen 2アーキテクチャの新製品が発売されて沸き立っているが悲しいお知らせがある。最近のGNU/Linuxディストロはブートしない。例えばUbuntu 19.04はブートしない。 理由は、ハードウェア乱数を返す命令、RDRANDに不具合があり、常に-1を返すのだという。このため、rdrandを直接使っているsystemdが失敗し、結果としてブートできなくなる。 AMDによればこの問題はBIOSアップデートで修正可能であるという。しかしこれはとても怪しい陰謀論を考えたくなる。なぜRDRANDが常に-1を返すような不具合が未然に発覚せずに製品リリースまでこぎつけてしまったのか。なぜファームウェアのアップデートで修正可能なのか。まさかバックドアなのではないか。 陰謀論はともかくとして、もう一つの問題は、なぜsystemdはRDRANDを直接使っているのかということだ。Linuxカーネルの

  • C++をプログラミング入門に使うならHTTPSぐらい喋れないと話にならんと言われたのでそういうライブラリを作った

    C++17の新機能を余すところなく解説した「江添亮の詳説C++17」は3月9日に発売される。今はC++によるプログラミングの入門書を書こうとしているが、同僚から、果たしてC++をプログラミング入門に用いるのは適切なのだろうかという疑問を提示された。私はC++はハードウェアに直接マッピング可能な低級機能からそれを隠匿する高級機能まで揃っている上に、継ぎ接ぎだらけの型システムは 「21世紀の入門コード片という意味では https download くらい標準で喋って欲しさ」 と言われた。なるほど、そういうのはsystem("wget -q https://example.com")すればいいのではないだろうか。 「なるほど、しかしそれではファイル経由で扱うことになる。初心者ならstd::stringとかに入った状態で扱いたいはずだ」 一理ある。そういうライブラリを実装すればいいのではないか。せ

  • constexpr ifの落とし穴

    会社の同僚から、以下のようなコードが動かない、ネット上をググると解決策らしきものが見つかるがそれもいまいち納得できない、という相談を受けた。 template < typename T > void f() { if constexpr ( std::is_same<T, int>{} ) { // Tがintのときのみ発動してほしい // 実際は常に発動する static_assert( false ) ; } } C++17にはconstexpr ifが追加された。これは条件付きコンパイルではない。条件付き実体化抑制だ。 constexpr ifは以下のように使う。 struct S { int value() { return 42 ; } } ; template < typename T > int to_int(T t) { int value{} ; if constexpr

  • C++17のクラスのテンプレート実引数推定

    テンプレートは以下のように定義する。 template < typename T > class C { C ( T t ) { } } ; template < typename T > void f( T t ) { } テンプレートは以下のように使う。 int main() { C<int> c(42) ; f<int>(42) ; } しかし、C++プログラマーの大半は、関数テンプレートfをこのように使うことはない。大抵は、f(42)のように使う。このように、テンプレート名を書いた場合、C++コンパイラーはテンプレートの実引数推定と呼ばれる仕組みを使ってテンプレート実引数を推定する。 その詳しい仕組みは難解だが、考え方としてはこうだ。42の型はintである。すると、tの型はintである。tの型はTとされているので、Tはintである。Tはテンプレート仮引数である。するとテンプレート仮

  • fork()は失敗するんだぜ、覚えときな

    fork() can fail: this is important あー、fork()のことね。プロセスがもっとプロセス作るためのやつな。いや、他にもプロセス作る方法はあるけどな。ま、面白い話がもうひとつあるから聞かせてやるよ。 forkは失敗するんだぜ。分かってるか? マジで分かってるか? マジだぜ。forkは失敗するもんだ。mallocと同じさ。失敗することもある。そんなに頻繁にってわけじゃないけどさ、でも失敗したら、無視できっこないぜ。ちっとは脳みそ働かせなきゃならん。 forkが0を返したら、そいつは子プロセスで、親なら正数を返すってことは、みんな知ってるよな。その値は子のpidだ。こいつを保存しといて、あとで使うってわけだ。 失敗を確認しない場合どうなるか知ってるか? そうだよ。お前多分、"-1"(forkのエラー通知)をpidとして扱ってるんだろ。 さて、問題の始まりだ。

  • メンバー関数へのポインターを返すメンバー関数へのポインターを返すメンバー関数

    class Foo;が存在したとして(1)Fooのメンバ関数ポインタ(2)を戻すメンバ関数のポインタが欲しいと思った(なお(1)で戻すメンバ関数もFooのメンバ関数ポインタを戻す)のだが、どうあがいても記述出来ないものだったりするのだろうか? ようするに、以下のようなことがしたいわけだ。 class Foo { public : // メンバー関数a void a() { } // メンバー関数aへのポインターを返すメンバー関数b ??? b() { return &Foo::a ; } // メンバー関数aへのポインターを返すメンバー関数bへのポインターを返すメンバー関数c ??? c() { return &Foo::b ; } } ここで、???の部分に戻り値の型を記述しなければならない。 もちろんこれは記述できる。ただしその記述は、C++の規格のバージョンにより難易度が異なる。 C

  • C++0xの完全なドラフトが9月に出ること、および、Iotaについて

    yey! : Trip Report: June 2008 ISO C++ Standards Meeting « Sutter’s Mill しかし、iotaはどういう語源なんだろうと思って調べてみた。何しろ、ノンネイティブな私に乗っては、意味がさっぱり分からない。iota(v.begin(), v.end(), 1)などと書かれていても、さっぱり意味が分からない。 アルゴリズム、iotaはとても簡単である。意味も簡単であれば、実装も簡単。 template < typename Iter, typename Value > void iota( Iter first, Iter last, Value value) { for ( ; first != last ; ++value, ++first ) { *first = value ; } } であるから、先ほどの例、iota(v

  • Multipath TCPについて

    Multipath TCPとは、複数の経路を扱うためのTCP拡張である。実は、以前、の虫: MultiPath TCPのLinuxカーネル実装という記事で、その実装デモを紹介している。 従来のTCPは、IPとの分離ができない。TCPヘッダーの中には、ひとつのIPアドレスとポートがある。経路ごとにIPアドレスが割り振られるので、経路を変えるには、別のTCPコネクションを貼り直さなければならない。 しかし、複数の通信経路を持つという環境は、もはや珍しいものでも何でもなくなっている。たとえば、多くのラップトップにはEthernetとWiFiの二つの経路があるし、スマートフォンにも、WiFiと3G/4Gという複数の経路がある。特にスマートフォンの場合、経路が使えるかどうかが頻繁に切り替わる。 過去に、TCPで複数のIPアドレスを扱う拡張はいくつも出されたが、いずれも、IPアドレスを隠すという点で

  • 全プログラマーが知るべきレイテンシー数

    Latency numbers every programmer should know — Gist L1キャッシュ参照 0.5ナノ秒 分岐予測失敗 5ナノ秒 L2キャッシュ参照 7ナノ秒 Mutexのロックとアンロック 25ナノ秒 メインメモリー参照 100ナノ秒 Zippy[Snappy]による1KBの圧縮 3,000ナノ秒 1Gbpsネットワーク越しに2KBを送信 20,000ナノ秒 メモリーから連続した1MBの領域の読み出し 250,000ナノ秒 同一データセンター内におけるラウンドトリップ 500,000ナノ秒 ディスクシーク 10,000,000ナノ秒 ディスクから連続した1MBの領域の読み出し 20,000,000ナノ秒 パケットを、カリフォルニア→オランダ→カリフォルニアと送る 150,000,000ナノ秒 Jeff Dean著(http://research.googl

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