日本経済は、1990年代半ばより、一時的なものを除いて物価上昇率はマイナスとなっており、デフレーションが継続している。デフレーションは、貨幣供給面からみると、先日のエントリーでも指摘したように、財・サービスの数量的な増加に対し、マネーストックの増加が相対的に少ないために生じたといえる。日本経済は流動性の罠に陥っており、中央銀行の通貨性のある負債であるマネタリーベース(日本銀行券発行高+貨幣流通量+日銀当座預金)を増やしても貨幣乗数が低下するため、市中の貨幣量(マネーストック(=貨幣乗数×マネタリーベース))は増加しない。このことは、特に企業部門において、金融機関からの借り入れを減らし、内部留保を積み上げる行動パターンにあわられている。外部資金の借り入れが減少することで信用創造が十分には働かず、企業部門の貯蓄の増加によって貨幣は退蔵されることになる。 http://d.hatena.ne.j