『アメリ』やアキ・カウリスマキの世界を彷彿させるようなキュートでレトロな映像から、何やら妙ちきりんな昭和歌謡風の音楽が流れてくる。『リザとキツネと恋する死者たち』(12月19日公開)は、ハンガリーから飛び出した異色のファンタージだ。 主人公は、元日本大使の未亡人の看護人として住み込みで働く孤独な女性リザ。彼女の唯一の友達は、日本人歌手、その名も「トミー谷」の幽霊だ。この幽霊、リザのいいお友達のように見えて、実はダークサイドに堕ちている。「ダンス、ダンス、ハバグッタイム〜♪」とあやしい日本語の陽気な歌とダンスでリザを油断させながら、恋をしたいと願う彼女に近づく男どもを、片っ端からお陀仏にしていく。 ウッイ・メーサーロシュ・カーロイ監督が、日本の「九尾の狐伝説」を盛り込んで作り上げた本作。筋金入りの日本オタクである同監督がその一風変わった感性を遺憾なく発揮し、本国でも熱心なファンを獲得して、ハ