福岡地裁小倉支部で行われた殺人未遂事件の裁判員裁判を巡り、被告の特定危険指定暴力団工藤会(本部・北九州市)系組幹部(40)の知人とみられる男が裁判員に声をかけ、判決期日が取り消された問題で裁判所は、声をかけた男を裁判員法違反容疑で福岡県警に告発する方針を固めた。 同法は、裁判員に対する請託(依頼)や威迫を行った場合、2年以下の懲役または20万円以下の罰金と定めており、県警は告発を受理し、本格的に捜査を進める。 関係者によると、裁判員に声をかけたのは、元工藤会系組員と被告の知人。2人は裁判員に対して「顔を覚えとるけんね」などと声をかけていたという。 被告は殺人未遂罪に問われており、5月10日に裁判員裁判の初公判が開かれ、被告は殺意を否認。同12日に検察側が懲役8年を求刑して結審し、同16日が判決の予定だった。