「サンゲイザー」(太陽を見つめる者)の異名を持つ、竜さながらのオオヨロイトカゲ。原産地の南アフリカで、生息地と個体数が減少している。(PHOTOGRAPH BY SHIVAN PARUSNATH) スマウグが危機に陥っている。といっても、J・R・R・トールキンの小説『ホビットの冒険』に登場する邪悪な竜ではない。災難に見舞われているのは、とがったうろこをまとい、まさにミニチュアの竜といった風貌のオオヨロイトカゲ(Smaug giganteus)だ。科学者によると、密猟や開発のせいでオオヨロイトカゲが激減しているという論文が科学誌「Journal for Nature Conservation」に発表された。(参考記事:「地球温暖化でトカゲ類2割が絶滅の恐れ」) トールキンが創作したスマウグは巨大な火の竜だが、オオヨロイトカゲは炎を吐いたりしないし、体も練り歯磨きのチューブよりわずかに大きい程