東京電力福島第1原発事故で福島県内から自主避難し、国家公務員宿舎に身を寄せた住民の退去期限が過ぎて1カ月になった。県は退去期限後も暮らし続ける住民に、家賃の2倍を「損害金」として請求する方針だ。都内の宿舎に暮らす女性(53)は取材に「移りたくても行き場がない」と苦境を訴えた。(福島総局・神田一道) 高層マンションが林立するベイエリアの江東区。36階の国家公務員宿舎「東雲住宅」には、南相馬市やいわき市などから移り住んだ57世帯(4月1日現在)の自主避難者が暮らす。 このうち49世帯は転居先が決まっておらず、女性もその一人。パートで働くシングルマザーで、会社員の長女(27)、就職活動中の次女(20)と3人で身を寄せている。 第1原発から約31キロの南相馬市鹿島区出身。当時小学6年生だった次女と一緒に避難し、都内にいた長女と合流。避難所を転々とした後、2011年夏に東雲住宅に入居した。 いつまで