「本当に殺してしまうなんて……」 こう重い口を開いたのは、19歳の交際相手を殺害したとして、5月18日に殺人容疑で逮捕された兵庫県明石市の無職・西光(にしみつ)勝容疑者(26)の知人だ。 「18日に大阪府枚方市の集合住宅の部屋で大学2年生の渡邉華蓮さんが死亡しているのが見つかった。死因は首を刃物で刺されたことによる失血死で、刺し傷や擦り傷が計50カ所以上。警察は西光が強い殺意を持っていたとみて捜査しています」(社会部記者) 前出の知人は、3月下旬に西光からある“相談”を受けたという。
![大阪・女子大生殺害犯(26)が語った「200万円のツケと犯行の動機」 | 週刊文春 電子版](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/e3ee68f07c12d42c6203848256d2861e50e3056f/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbunshun.jp%2Fmwimgs%2Fc%2Fd%2F1220wm%2Fimg_cdb4e6aa322ff4d86cdd29e040f6e0d3818670.png)
私たちはなぜニュースを見るのだろう。読むのだろう。 自分のことを言うと、新聞を14紙購読しているが、きっかけは噂やゴシップの真相を知りたくて情報を読み比べていたら今に至った。野次馬だと自覚している。では周囲はどうなのだろう。TBSラジオの番組『東京ポッド許可局』で共演しているマキタスポーツ、サンキュータツオに聞いてみた(3月16日放送分)。 マキタさんは「世の中の動きを知ることで“より生きている”感じを確認するため」と教えてくれた。タツオは「好奇心からニュースに興味を持ったが、そのうち情報を摂取することで怒りを感じるようになった」という。就職氷河期世代のタツオはニュースを見ても生活が良くなる実感がなくて孤立感があったという。「徐々にニュースを知らないほうが安寧に過ごせるのでは?」と思うようになり、一人の力では何も変わらないという無力感しかなかったと。 ニュースを見る理由 ただ、「こんなに頑
「傍からみれば、『社会学者が今度は銀英伝にいちゃもんをつけてきた』という構図だったはずです」 当時、法政大学社会学部教授だった津田正太郎さんはなぜ『銀河英雄伝説』のアニメについてつぶやいただけで炎上してしまったのか? その経緯を新刊『ネットはなぜいつも揉めているのか』(筑摩書房)より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目/後編を読む) ◆◆◆ 私の炎上体験 2020年9月11日午前11時41分、いつものようにカフェで仕事をしていた私は、ふと思いついて次のような連続ツイートをしました。 ◆ 銀河英雄伝説のリメイク。三期以降も続くのかな。もしそうなら、男女役割分業の描き方は変更せざるをえない気がする。旧アニメのままだと、さすがに時代にそぐわない。作品として大変に面白いのは踏まえたうえで。…なんてことを書いたら炎上するかな。実際のところ、昔のドラマやアニメをみていると、価値観の変化がもっとも顕
「お金をもらって仕事でやるのと同等のクオリティできっちり取り組み、睡眠を削ってまでやる。これは外国の人間からしたら、まったく信じられないことです」 駐日ジョージア大使で親日家のティムラズ・レジャバ氏が、テレビ番組『欽ちゃんの仮装大賞』を見て気づいた「日本人の素晴らしさ」とは? 新刊『日本再発見』(星海社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/前編を読む) 『欽ちゃんの仮装大賞』はなぜ日本人にしかできない? ©時事通信社 『欽ちゃんの仮装大賞』のために努力できる日本人はすごい 私は年末年始のテレビ番組が好きなのですが、『欽ちゃんの仮装大賞』では芸人やタレントではない一般の素人の方々がとんでもない発想で力を合わせて出し物を披露しますよね。仮装を発表したあとのインタビューでは「会社が終わったあとに毎日みんなで練習して……良いものが作れたなって」などと言って声を詰まらせて涙を流したりします
日本の一人当たり労働生産性は85,329ドル、OECD加盟38ヵ国中31位で、アメリカ(160,715 ドル)と比較すると約半分だ。時間当たりの労働生産性(52.3ドル)も、OECD加盟38カ国中30位と低迷する(「労働生産性の国際比較 2023」)。7万部超のベストセラー『世界一流エンジニアの思考法』の米マイクロソフトエンジニア牛尾剛さんが解決策のヒント示す。 ◆◆◆ ©AFLO 日本のビジネスパーソンは「重荷」を背負わされている ――他の先進諸国と比べて、日本の生産性がこれほど低い要因はなんだと思われますか? 牛尾 まず、今回のインタビューは所属会社とは関係のない、一個人の意見であることをお断りしておきたいと思います。僕は現役のエンジニアなので、ソフトウェア中心の、現場からの視点になることはご承知おき頂きたいのですが、日本のビジネスパーソンは大変な「重荷」を背負って戦わされていると感じ
SPが宿泊する予定だった隣室に秘書官を宿泊させる “事件”が起こったのは、経産相だった西村氏が11月12日から17日にかけて、アジア太平洋経済協力会議(APEC)に出席するため、米サンフランシスコに外遊した際のこと。西村氏らは高級ホテル「ホテル・ニッコー・サンフランシスコ」に宿泊した。西村氏の部屋と内部のドアでつながる隣室には、何かあればすぐに駆け付けられるよう、SPが宿泊する予定だった。ところが――。
「YouTubeで勉強しているから授業は聞かなくても良い」 先日、知人の中学校教員からこのような相談を受けた。 「授業中にこちらの説明を聞かない生徒がいたので授業後に話を聞いてみたところ、『●●(教育系YouTuber)の動画で見たから聞く必要がない』と言われた」 「直接は言われなくとも、自分の授業よりYouTuberの方が信用できるというような話を生徒たちがしているのも知っている。どうしたら良いか悩んでいる」 私はその知人の実際の指導現場を見ていないため、あくまで一般論にはなるが、比較された上で見切りをつけられてしまっている現状を変えるためには、YouTuberに負けないだけの指導力を習得しなければならないのは間違いない。 実際、現場の教師や講師よりもわかりやすく感じるケースはあるだろうし、見ていて「魅せ方」という点において本当に上手だと感じる教育系YouTuberも存在する。我々現場の
声優として「毎月20万円」稼ぐためには、どれほどの仕事をすればいいのか? 小倉唯、石原夏織、豊田萌絵、伊藤美来らアイドル声優のプロデュースに関わる株式会社スタイルキューブ代表のたかみゆきひさ氏が解説。 業界事情から、今直面する問題、声優のプロデュース/マネジメント術を明かした新書『アイドル声優の何が悪いのか? タレントとしての声優マネジメント』(星海社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目/後編を読む) 声優は役者業/声優業だけで食えるのか? まず前提条件として、「役者業=アニメに声をあてる声優業だけでは声優は食べていけない」ということを確認しておきましょう。 アイドル化/タレント化する声優像については、声優ファンからは(ときには業界人からも)度々疑問や批判が投げかけられてきました。「声優は声優の仕事だけしてればいい」そういった意見はSNSなどでもよく見ます。アイドル化/タレント化
11月15日、創価学会の池田大作名誉会長が東京都内の自宅で老衰のため死去した。95歳だった。日本最大規模の宗教団体を長年率い、1964年に公明党を創設してからは政界でも大きな影響力を発揮してきた。 宗教団体のありかたが問われた2023年、池田氏の死は今後にどんな影響を及ぼすのか。2010年に「週刊文春」に掲載された記事を期間限定で再公開する。 (初出:「週刊文春」2010年12月2日号/年齢・肩書等は公開当時のまま) ▼▼▼ 半年振りに近況が報じられた池田大作氏(82)だが、健康状態を危ぶむ声は尽きない。今では“王朝”の奥深く隠れ、幹部ですら会うことがままならない。かつて若い魅力的な宗教指導者として社会に登場した池田氏は、どこから、なぜ変わったのか。 今から47年前の『週刊文春』(昭和38年2月25日号)に、「折伏(しやくぶく)に生きる若き指導者・池田大作」と題したこんな記事がある。創価学
一方で、芝居や演出は、好みが分かれるかもしれない。筆者は正直に言って、山崎監督の『ALWAYS 三丁目の夕日』などの過去作と同様に、そのお涙頂戴のセンチメンタリズムはちょっと受けつけなかったが、それは個人的な好みの問題だと言われればそれまでかもしれない。世間の評判から考えると、私の感性は少数派のようだ。 *以下、『ゴジラ-1.0』の結末に触れる部分があります。 「シン・ゴジラ」は日本の戦後を「未解決なもの」として扱った それ以上に興味深いのは、そのようなセンチメンタリズムも含めて、『ゴジラ-1.0』は『シン・ゴジラ』への「返歌」かとも思えるほどに、この2つの作品が好対照をなしていたことである。その対照性は、先ほど記述したクライマックスの場面が雄弁に物語っている。『ゴジラ-1.0』では、なんの衒いもなく登場人物たちは歓喜する。 「ゴジラ-1.0」公式予告動画より この演技・演出の違いは、演劇
「週刊文春」は10月30日、ジャニーズ新会社社長に内定していた東山紀之(57)が社長就任を辞退したと報じた。そして東山に代わる新会社社長に、コンサルティング会社スピーディの福田淳社長(58)の名前が急浮上していることが、「週刊文春」の取材で明らかになった。 ジャニー喜多川氏 福田氏は、2016年に大手芸能事務所「レプロ」を独立したのん(能年玲奈)のエージェントを務めている。 エンターテイメント業界ではよく知られた重鎮 日本大学芸術学部を卒業した福田氏は、東北新社などを経て、1998年に株式会社ソニー・ピクチャーズテレビジョン・ジャパンに入社。2007年にはソニー・デジタルエンタテインメント・サービスの社長に就任。現在は前述したスピーディの社長を務めており、エンターテイメント業界ではよく知られた重鎮である。
◆ ◆ ◆ 周りからは「才能ないからやめたほうがいい」と言われていた ――牛尾さんは、世界中で使われている、マイクロソフトのクラウドサービスAzure Functions の開発チームで活躍されていますが、noteなどでよくご自身のことを「3流エンジニア」と謙遜されていますね。 牛尾 いや、ホントに僕はガチ3流です(笑)。もともと日本の大手SIerにいたときは、プログラマとして通用しなかったですからね。コードを書いてソフトウエアをつくるさい、スピードとクオリティが問われます。早く書けて、メンテがしやすく、バグが少ないのが理想ですが、僕はとにかく要領が悪かった。 ――本当ですか!? 牛尾 一番やりたい仕事はプログラマだったのに才能が乏しかったから、僕のキャリアは長らく、PM(プロダクトマネージャー)や、アジャイルというソフトウェア開発法のコンサルタント、あとはIT技術を人にわかりやすく伝える
「週刊文春」が入手した4枚の写真。トレードマークの赤いネクタイを締めた男性が傍らの女性の首に手を回し、満面の笑みを浮かべながらピースサインで収まっている。テーブルの下では互いの手が重なり合い、仲睦まじい様子だ。そして、互いに頬を寄せ合うほどまでに密着すると――。 埼玉の「虐待禁止条例」に批判が噴出 自民党の埼玉県議団が提出し、10月6日に埼玉県議会の委員会で可決された「虐待禁止条例」の一部改正案が全国的に物議を醸した。その内容は、成人の「養護者」が小学3年生以下の子どもを放置することを禁じ、小学4~6年生については努力義務とするものだ。想定する禁止事項として「短時間でも子どもに留守番をさせる」「子ども同士で公園で遊ばせる」「子どもだけ家に残し、ごみ捨てに行く」などを列挙。子どもを自宅や車に放置すると「虐待」とみなされ、罰則こそないものの県民にも通報を義務づけていた。 だが、「共働きの家庭に
自民党の選挙対策委員長に就任した小渕優子氏(49)が、父・小渕恵三元首相の死後、恵三氏の資金管理団体から、複数の政治団体を迂回させる形で、約1億5千万円の政治資金を受け取っていたことが、「週刊文春」の取材でわかった。政治団体間の資金移動は非課税で、世襲政治家の特権との批判も根強い。小渕氏の説明責任を求める声が高まりそうだ。 小渕氏は2008年9月、麻生政権で戦後最年少の34歳で男女共同参画・少子化担当相として初入閣。2014年9月には、第2次安倍政権で重要閣僚とされる経産相に就任した。ところが、その直後の2014年10月、小渕氏の関係政治団体が開催した観劇会を巡り、政治資金収支報告書に不適切な記載をしていた問題が発覚。収支報告書への虚偽記載額は3億円を超え、2015年10月、小渕氏の元秘書2人には有罪判決が下された。 “ドリル優子”と呼ばれる娘 ©時事通信社 ファミリー企業への政治資金問題
8月28日、大ヒットアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』(2006年)の朝比奈みくる役などで知られる声優・後藤邑子さんが著書を出版することが明らかになった。 近年では3ヵ月ごとに50本、年間にすると200本前後の新規のテレビアニメが放送され続ける中で、それぞれのキャラクターを演じる声優にも注目があつまり、グループやユニットを組んでアイドル・タレント活動を行うようにもなっている。 後藤邑子さん(撮影=橋本篤/文藝春秋) 後藤さんは、その動きを決定づけた2000年代のアイドル声優ブームの渦中にいたひとり。声優がキャラクターを演じながら、歌って踊るイベントが注目を集め、アニメ人気との相乗効果により、一大ブームへと発展した。キャラクターソングがCDランキングの上位を占め、彼女自身も武道館のステージにも立った。 2022年に公開されたインタビューでは、当時のことについて次のように語っている。 ――当時の『涼宮
イギリスにある世界最大の航空業界格付け会社・スカイトラックス社が公開している格付けランキングにおいて、2016年から8年連続で「世界一清潔な空港」に選ばれている羽田空港。その羽田空港の清潔さを支える清掃のプロフェッショナルとして、2015年、2019年にNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」で取り上げられたのが、“スゴ腕”の清掃人・新津春子さんだ。 ここでは、清掃のプロとして活躍する新津さんが、自身の生き様や仕事との向き合い方を綴った著書『世界一清潔な空港の清掃』(朝日文庫)より一部を抜粋。清掃員を「職人」と称する彼女の仕事の取り組み方を紹介する。(全2回の1回目/2回目に続く) 私たちも人間なんですよ。 羽田空港ターミナルの清掃員として働き始めてすぐのことです。 お客様が私の目の前にゴミをぽいっと投げ捨てて行きました。すぐそばにゴミ箱があるにもかかわらず。「お前が拾って当然だ」という態
刑事事件の裁判傍聴歴19年というライターの高橋ユキさんは、かつて気になる裁判官や検察官の法廷を一日中傍聴するようなこともあったという。歴代でもっとも印象に残っているという大阪地裁の“ある裁判官”について綴った、「現代思想」(2023年8月号)への寄稿「『無名』の裁き その隙間で見るもの」の一部を抜粋して掲載する。 ◆ ◆ ◆ 刑事裁判の傍聴を始めて19年目 刑事裁判の傍聴を始めて19年目になる。傍聴マニアがこうじて、ライターになった。現在私は、主にウェブメディアで事件や刑事裁判の記事を書いているが、取材でなくとも、時間があれば裁判所で傍聴し、顔見知りと意見交換したりする。つまり今でも傍聴マニアである。 私が主に傍聴するものは殺人等の凶悪事件であり、これは現在、裁判員裁判対象事件となっている。裁判員裁判では多くが短期間の集中審理。朝の10時から休廷を挟みながら夕方まで、というスケジュールで1
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