第二次大戦で激戦の舞台となり、民間人を含む約7万の日本人が死亡した米領マリアナ諸島の取材で、心痛む光景に出くわした。大戦末期、追い詰められた多くの日本人が「万歳」と叫んで海に身を投じたサイパン島北部の「バンザイクリフ」で、ピースサインをしながら写真に収まる日本人観光客を見かけた。 高さ約30メートルの断崖の上には、たくさんの慰霊碑が並んでいる。深い悲しみを伝える地として、日本人が訪れることも多い。 ツアーの一行だろうか。大型バスから降り立った父娘らしき2人が、バンザイクリフを背景に記念撮影をしていた。高校生ぐらいの日本人の少女は、満面の笑みで、両手でピースサインを作っている。 「幼い子供に万歳させて写真を撮る男性もいましたよ」。私に同行してくれたガイドの日本人女性が、悲しそうな目で語った。約30年間島で暮らし、ガイド歴も長いが、マナーの悪い日本人に見かねて注意することもあったという。 サイ
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