ブックマーク / shorebird.hatenablog.com (9)

  •  「Uncharted」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    Uncharted: Big Data as a Lens on Human Culture 作者: Erez Aiden,Jean-Baptiste Michel出版社/メーカー: Riverhead Books発売日: 2013/12/26メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見る 書はハーバード出身の2人の若手研究者の探求物語だ.2005年,ハーバードの学部学生であったエイデンとミシェルは漠然と文化歴史的な変化に興味を持っていた.そしてノヴァクやピンカーの講義に影響を受けて進化的な視点,思考方法を身につけ,ビッグデータを文化変化のリサーチに応用する方法を思いつき,それを実践していくのだ.彼等は自分たちをCulturomics(文化についての-omics,omicsにはビッグデータを扱うという趣旨を込めているそうだ)のリサーチャーだと定義している. 冒頭は,ア

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  •  「国家はなぜ衰退するのか」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    国家はなぜ衰退するのか(上):権力・繁栄・貧困の起源 作者: ダロンアセモグル,ジェイムズ A ロビンソン,稲葉振一郎(解説),鬼澤忍出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2013/06/21メディア: 単行この商品を含むブログ (31件) を見る国家はなぜ衰退するのか(下):権力・繁栄・貧困の起源 作者: ダロンアセモグル,ジェイムズ A ロビンソン,稲葉振一郎(解説),鬼澤忍出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2013/06/24メディア: 単行この商品を含むブログ (21件) を見る 書は政治経済学者のダロン・アセモグルとジェイムズ・ロビンソンによる,彼らの10年以上にわたるリサーチブログラムの成果を一般向けに書き下ろした「Why Nations Fail: The Origins of Power, Prosperity, and Poverty」(2012)の邦訳だ. 基

     「国家はなぜ衰退するのか」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
    Nao_u
    Nao_u 2013/07/13
    この例でいうなら、今の日本は収奪的経済制度、収奪的政治制度に向かおうとしてる流れ、なのかな
  •  「なぜ猫は鏡を見ないか?」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    なぜは鏡を見ないか? 音楽と心の進化史 (NHKブックス) 作者: 伊東乾出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2013/01/26メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログ (13件) を見る 書名からは,動物の自己鏡映認知にかかるだと思ってしまいそうだが*1,これは音楽家である著者が音楽質を理解しようと認知科学の力を借りながら知的奮闘してきた探求物語だ.副題には「音楽と心の進化誌」とあるが,特に進化的に何かが深く考察されているわけではない*2. というわけで「自己鏡映認知」的な書名と「進化誌」という単語に釣られて購入し,読み始めた私にとっては内容的には肩すかしのはずだったのだが,しかしこれは読み出したら止まらない,大変面白いだ. まず著者の経歴が型破りだ.著者は中学2年でバルトークの「作曲技法」に入れ込み,FM放送で現代作曲家の松村禎三の「交響曲」を聴いて惹きつ

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    Nao_u
    Nao_u 2013/06/02
  •  「兵隊を持ったアブラムシ」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    兵隊を持ったアブラムシ (自然誌選書) 作者: 青木重幸出版社/メーカー: どうぶつ社発売日: 1984/11メディア: 単行 クリック: 33回この商品を含むブログ (1件) を見る ハミルトンが血縁淘汰を定式化した1964年当時,真社会性の動物は膜翅目昆虫のアリ・ハチ類と等翅目昆虫のシロアリ類しか知られていなかった.そして1976年にアブラムシにおいて真社会性が発見され,その後アザミウマ,テッポウエビ,そしてハダカデバネズミの発見へと続くことはよく知られている.書はそのアブラムシにおける真社会性,兵隊カーストを発見した青木重幸による若き日の研究物語である. 書が出版されたのは1984年であり,ほぼ30年前である.私が行動生態学を勉強し始めた1980年代後半から1990年代のはじめにはまだ書店店頭に並んでいたのを覚えているが,一段落したら是非読もうと思っているうちにはっと気づくとも

  •  「オタクの行動経済学者,スポーツの裏側を読み解く」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    オタクの行動経済学者、スポーツの裏側を読み解く 作者: トビアス・J・モスコウィッツ,L・ジョン・ワーサイム,望月衛出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2012/06/08メディア: 単行(ソフトカバー)購入: 1人 クリック: 137回この商品を含むブログ (13件) を見る 書は実証研究を行っている行動経済学者とスポーツジャーナリストが,行動経済学の知見を利用してアメリカのメジャースポーツの一見理解できない状況の謎解きを行い,それを実証してみようという趣向のだ.原題は「Scorecasting: The Hidden Influences behind How Sports Are Played and Games Are Won」. そういうわけで特に目新しい行動経済学的な知見が展開されているわけではない.書の面白さは,その「行動経済学のよくある知見を用いたいかにもあ

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    Nao_u
    Nao_u 2012/08/11
  • Inside Jokes 第2章  - shorebird 進化心理学中心の書評など

    Inside Jokes: Using Humor to Reverse-Engineer the Mind (The MIT Press) 作者: Matthew M. Hurley,Daniel C. Dennett,Reginald B. Adams Jr.出版社/メーカー: The MIT Press発売日: 2011/03/04メディア: ハードカバー購入: 3人 クリック: 105回この商品を含むブログ (16件) を見る 第2章 ユーモアは何のためにあるのか 冒頭でこれまでのユーモアのリサーチは,何がユーモアを作るのか,つまりユーモアには何か質があって,その質を抽出しようというリサーチ,に集中していたと述べ,その究極因については無視されていたと指摘がある. 書では究極因をまず考える,そうすればメカニズムについても理解しやすいだろうというのがハーレーたちのスタンスだ. で

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    Nao_u
    Nao_u 2011/09/10
    「このハーレーたちの仮説は,ユーモアがおかしいのは現代でも重要な適応的機能のための報酬だからだということだ.そして極めて洗練されたジョークやコメディはそれに対する超刺激ということになるのだろう.」
  •  「Sex and War」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    Sex and War: How Biology Explains Warfare and Terrorism and Offers a Path to a Safer World 作者: Malcolm Potts,Thomas Hayden出版社/メーカー: BenBella Books発売日: 2010/06/22メディア: ペーパーバック クリック: 28回この商品を含むブログ (1件) を見る 書は産婦人科医かつ生物学者であり,世界中の戦争地域や開発途上国で家族計画(人口増加抑制のための避妊推奨活動など)を推進してきた実践家であるマルコム・ポッツによるヒトの性と戦争についてのである.特に進化心理の専門家というわけではないが,紛争地域で活動してきた経験を踏まえた提言により重みのあるになっている. まず最初にグドールの発見したチンパンジーの近隣グループへの殺戮行為が取り上げら

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    Nao_u
    Nao_u 2011/02/05
    「これはチンパンジーの特殊な適応であり,オスがなわばりのリソースに絡みチームを組み,近隣グループのオスを殺戮していくものだ.この行為は心理的にアウトグループのオスに対して自分と同じ仲間であるという認識
  •  「進化のダイナミクス」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    進化のダイナミクス 生命の謎を解き明かす方程式 作者: Martin A. Nowak,中岡慎治,巌佐庸,竹内康博,佐藤一憲出版社/メーカー: 共立出版発売日: 2008/02/20メディア: 単行購入: 4人 クリック: 49回この商品を含むブログ (4件) を見る 書はMartin Nowakによる進化現象を説明する数理方法に焦点を絞ったであり,原題は「Evolutionary Dynamics」.Nowakは進化ゲームの数理解析などで有名な数理生物学者.書は昨年の初めに出版されていたもので,私自身は巌佐先生の「生命の数理」を読んだ勢いでこのにも突入したものだ. 書の構成は,まず前半で基になる現象とそれを解明する方程式を解説し,後半で具体的な解析例としてHIV,毒性の進化,ガンの進行,言語を取り上げている. 前半の解説は基となる方程式が非常にエレガントに一般化されていて

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  •  「ミトコンドリアが進化を決めた」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    ミトコンドリアが進化を決めた 作者: ニック・レーン,斉藤隆央出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2007/12/22メディア: 単行購入: 4人 クリック: 88回この商品を含むブログ (32件) を見る 書はミトコンドリアを軸に,いろいろな生物現象の謎を考えていこうというで,同じくニック・レーンの前著「生と死の自然史」の続編ともいってよい内容だ.原題はPower, Sex, Suicideとなっているが,これは邦題の方がよいかもしれない.(「決めた」というのはちょっと気になるが) 最初に取り上げられる謎は,なぜ真核生物のみが多細胞生物となれたのかというものだ. その前段としてそもそも「真核生物」とは何かと言うことが問題になる.真核生物の起源についてはそれまでの主流であったカヴァリエ=スミス説は,アーケゾアがミトコンドリアの祖先原核生物を摂し,それが寄生となり,さらにエネルギ

     「ミトコンドリアが進化を決めた」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
    Nao_u
    Nao_u 2009/01/05
    「個体にとって長寿になっても遺伝子の観点からの利益はほとんど無いことが明瞭だ.それを前提に考えるとアイドリングによりほんの少しでも何かの効率が下がるなら,何か大きなメリットがない限り高アイドリング状態は進化し得ないだろう.」
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