「このスライドで何が言いたいのか、もっと分かりやすく整理できないか?」 これは、IT技術者が作った提案資料を見せたときにもらうコメントの典型例である。1枚のスライドに細かい問題点や分析データと、それらに加えたさまざまな分析結果のグラフが並んでいるような資料。頑張って分析を行ったことは伝わってくるのだが、それが結局何を意味するのか分からないというパターンだ。 こういう資料を戦略コンサルティング会社出身の人に見せると、「So What?がない」「分類をMECEにすべき」と指摘を受ける。これらはいずれもロジカルシンキングと呼ばれる情報の整理テクニックのキーワードである。今回は、これらのキーワードを解説しつつ、技術者の資料をもっと分かりやすくするための考え方を紹介する。 ロジカルシンキングとは何か ロジカルシンキングとは、ひとことで言えば、ある外資系コンサルティング会社に由来する情報の構造化テクニ