ジャイアントパンダ(以下、パンダと略)の生息調査が最後に行われたのは1988年のことである。調査当時、約1,000頭のパンダが、中国西部の隔離された6つの生息地に生息していたが、それ以降パンダの個体数が増加しているのか、減少しているのかはわからない状態で、現在、調査が進められている。パンダの野生個体群が直面している主な脅威は、森林伐採と残された個体群の孤立である。現時点で、およそ160頭のパンダが中国で飼育されており、20頭が中国以外の動物園で飼育されている。この飼育されているパンダは、政治上2つのグループに分けられる。1つは、中国に所有権がなく、その制限下にないパンダである。これらのパンダの殆どが、1970年代に中国から贈られたもので、当初からの10ペアとその子供のうち、残っているのは5頭のみである。それ以外のパンダは、すべて中国が所有している。 パンダは、交尾期を除いて単独で生活し、4