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ブックマーク / cruel.hatenablog.com (131)

  • ノーベル経済学賞 2023−2028年トトカルチョ - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    2022年ノーベル経済学賞は、バーナンキ、ダイアモンド、ダイブヴィグ (ディブヴィグ? 字面でしか見たことないので読みをよく知らない) に決定した。金融・銀行系ね。 そういえば、むかしの自分の予想でもバーナンキは入れていたなあ、と思って昔のエントリーを見ると、ほうほう、なかなかよいではないの。2020年でバーナンキは次点扱い。2017年についての表を見ると、その後六年で3人は含まれている。まあ15人もあげてるから、ヘタな鉄砲もナントやらだろう、と言われればそれまでなんだけどね。が、そんなに悪くもないんじゃないか。ジャンル的にはかなり当てていると一応は自画自賛。 cruel.hatenablog.com でも表を見ると、もう他界した人も結構いる。ジョルゲンソンは今年他界してるのか……2020年にお目にかかったときにはシャキシャキだったのになあ。その他、すでに取った人、すでに他界した人、いろい

    ノーベル経済学賞 2023−2028年トトカルチョ - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    Nean
    Nean 2022/10/11
  • 昔話:ティモシー・リアリーの想い出など - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    ぼくが初めて訳した商業出版は、H・R・ギーガーの画集だったんだけれど、それを出したトレヴィルという西武系の出版社の編集者川合さん (というか彼一人しかいなかった) が「じゃあ是非これもやってください!」と言って翻訳させられたのが、ティモシー・リアリーの『神経政治学』だった。 神経政治学―人類変異の社会生物学 作者:ティモシー・リアリー,ロバート・アントン・ウィルソン,ジョージ・A・クープマントレヴィルAmazon ドラッグやったら脳の回路が活性化して新しい世界が見えるぜ、それでみんなニュータイプになって宇宙にさいくだ! という、まあまぬけもいいところなだったが、一応張り切ってやって、ついでにこれで大学院の学費は自分で稼げるぜ、親の世話にはならないぜ、と大見得を切ったんだが、なんと大学院に入る前に仕上げたのに、実際にが出てお金が入ってくるまでに2年以上かかった。別に訳文にはぜんぜん文句は

    昔話:ティモシー・リアリーの想い出など - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • プーチン本その2:プーチンご自身『プーチン、自らを語る』:基本文献。ストレートで明解なインタビュー集 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Executive Summary プーチン他『プーチン、自らを語る』(扶桑社、2000) は、突然ロシア大統領になってどこの馬の骨ともわからなかったプーチンが、生い立ちから大統領としての問題意識までを率直に語ったインタビュー集。幼少期の記述などはこれがほとんど唯一の文献で、他のはこれに対する註釈でしかない。また、まだ隠蔽すべき悪事などがないので、かなり率直かつ正直に語られているし、全部が当ではないとはいえ、一言半句に勘ぐりを入れる必要もなく、ストレートに読める。家族のインタビューも交え、プーチンの全体像をしっかりまとめているし、またチェチェンへの高圧的な態度、反体制ジャーナリストへの冷淡さなどもはっきり出ている。なお英語からの重訳だが、英語版のほうが追加のインタビューを加え、ロシア語版で削除された部分も含んでいることもあり、重訳のデメリットよりはメリットのほうがずっと高いので、懸念に

    プーチン本その2:プーチンご自身『プーチン、自らを語る』:基本文献。ストレートで明解なインタビュー集 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    Nean
    Nean 2022/05/06
    立ち読みはむりっぽい。
  • プーチン本その1:朝日新聞『プーチンの実像』:ゴシップに終始して最後はプーチンの走狗と化す危険な本 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Executive Summary 朝日新聞『プーチンの実像』(朝日新聞社、2015/2019) は、日のぶら下がり取材的にプーチンが日や自分たちと行った会見やその周辺人物のインタビューをあれこれ行っているが、明確な視点がないために、それが単なるゴシップのパパラッチに堕している。そのゴシップの価値にゲタをはかせようと、歪曲による祭りあげまで行ううえ、プーチンの軍事的な意図についてまったく触れず、このためプーチンは外国に対し、主権を持っているかとかいう抽象的な視点で判断を下しているという、ナンセンスな主張を行う。そしてそれは最終的に、日アメリカのイヌで主権がない、北方領土を返してほしければ日米安保を廃止して主権を回復せよ、という信じられない主張を暗に匂わせる、得たいの知れないプーチンの走狗と化している。 ぼくも人並み以上にミーハーなので、ウクライナ侵攻が始まってから、いろいろプーチ

    プーチン本その1:朝日新聞『プーチンの実像』:ゴシップに終始して最後はプーチンの走狗と化す危険な本 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    Nean
    Nean 2022/05/04
  • ロシア帝国300周年記念に寄せて (2022/02/04): ロシア停戦交渉団親分の「帝国バンザイ!」 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    我らが偉大なhicksian 様のこのツイートで紹介されていたブログ記事、とてもおもしろい。 broadstreet.blog この著者はMITのソ連ロシア史教授、エリザベス・ウッズ。プーチンは、ヒル&ガディの現時点ではベストなプーチン伝「プーチンの世界」で紹介されている、「プーチンは歴史の男だ」というまとめを敷衍して、その「歴史」というのがおとぎ話に近いネトウヨ妄想なのだ、という点を指摘している。 プーチンの世界―「皇帝」になった工作員― 作者:フィオナ・ヒル,クリフォード・G・ガディ新潮社Amazon このブログでは、その妄想ぶりについてかなり細かく指摘されているけれど、基的にはこれまでしょっちゅうお目にかかった、大ロシア帝国復活こそが歴史的必然であり、民族の悲願なのであり、それを西側がじゃましくさっておるのよ、という話。いやそれよりひどくて、ロシアは昔から、優しい民主的な共存共栄の

    ロシア帝国300周年記念に寄せて (2022/02/04): ロシア停戦交渉団親分の「帝国バンザイ!」 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    Nean
    Nean 2022/03/09
    あぁぁ。
  • ロシアの攻勢と新世界の到来 (2022/02/26): 侵略成功時のロシアの予定稿 全訳 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    訳者まえがき まちがって公開されたとおぼしき、ロシアウクライナ征服に成功していた場合のロシア国営通信 RIA予定稿の全訳。すぐに引っ込められたが、Wayback Machineにしっかり捕捉されていた。すごい代物。いくらでも言いたいことはあるが、読めば多くの人は同じことを考えるだろうし、ある100年近く前のドイツの人が書いた文章との類似も明らかだとは思う。 以下のツイート経由で存在を知った。ありがとうございます! 1 “The resolution of the Ukraine question.” A mistakenly published Russian article gives us a chilling insight into the neo-imperialist thinking in Russia that drives Putin’s decision to inv

    ロシアの攻勢と新世界の到来 (2022/02/26): 侵略成功時のロシアの予定稿 全訳 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    Nean
    Nean 2022/03/07
  • 『史記』に学ぶべき知識人の役割とは - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Executive Summary 司馬遷『史記』に登場する焚書坑儒は、儒者どもが体制批判したせいだとされるが、実は穴に埋められた儒者たちにもそうされる十分な原因があったのかもしれない。かつて儒者を厚遇していた始皇帝だが、封禅の儀式のやりかたに結論を出せず、しかも後から揚げ足をとって悪口を述べた儒者の役立たずぶりに呆れた可能性がある。 これは二千年以上の時をこえた現代であっても、儒者=知識人の役割について何かしらの示唆を与えるものかもしれない。いやあ、古典って当にすばらしいですね。 落合『殷』を読んでちょっと興味が向いて『史記』を実際に読み始めておるですよ。 史記 全8巻セット (ちくま学芸文庫) 作者:司馬 遷筑摩書房Amazon 一応歴史記録で話は淡々と進むし、紀ではなぜか各種エピソードが何度か繰り返されて、続きを読んでいるつもりが話が戻っていたりして面らうし、おもしろいからみん

    『史記』に学ぶべき知識人の役割とは - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    Nean
    Nean 2022/02/06
  • diffとしての表現、あるいはほぼあらゆる (人間的な) 価値は、逸脱である - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Executive Summary 多くのものはいまや、価値が来の機能ではなく、それ以外の来の機能との差分/diffに宿るようになっている。酒はもともとアルコールの酩酊感のためのものだが、いまやアルコール以外の不純物がお酒の味の主役になっている。事は栄養摂取が来の機能だが、グルメ料理はそれを離れ、単なる舌や感覚への刺激だけを重視するようになっている。 今後、そうした部分が増えるのではないか。車もバイクも、「味わい」とされるのはニュートラルな移動機能から逸脱した歪み。いずれ、そうした部分だけソフトウェアなどで再現されてそれだけが分離されて取引され、その土台となるハード/来の機能部分はコモディティ化してどんどん低価格化する世界がやってくるのではないか? ジャクソン・ポロックなどある種の芸術は、いちはやくそうした diff だけの世界を予見しているようでもある。 かなり前から考えている

    diffとしての表現、あるいはほぼあらゆる (人間的な) 価値は、逸脱である - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    Nean
    Nean 2021/09/30
  • クルーグマン「ミレニアムを解き放つ」:この道はいつか来た道 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    先日、「資主義の行き詰まりがあちこちで見られる中で新たな経済思想は〜」みたいな話をきかれて、ぼくはちょっと言葉に詰まった。というのも、資主義がそんなに行き詰まっているとはぼくは思っていないから、なのだ。 それで、ちょっと以前読んで気になっていたクルーグマンの2000年の文章を掘り出して訳してみました。 cruel.org たぶんいまのクルーグマンは、掘り出されたくない文章じゃないかな。一読すればわかるけれど、資主義と市場原理の勝利を明確にうたい、それ以外の経済体制はほぼ否定されたと断言する文章だ。もちろんぼくたちはこの後で、2007-9年のリーマンショック/世界金融危機に直面している。この文章にあるほどの楽観論をいま抱くのはむずかしい。たぶんクルーグマン自身もそう思うはず。 たぶん現在なら、やっぱこれを書いた時期でも歪みはたまりつつあって、格差は急激に拡大していて、環境が云々で、こん

    クルーグマン「ミレニアムを解き放つ」:この道はいつか来た道 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • コンドルセ『人間精神進歩史』なかなかおもろい。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    ピケティの新著、翻訳鋭意進めております。その中で古いがたくさん引用されてて、中にあったのが、コンドルセ。 人間精神進歩史 第1部 (岩波文庫 青 702-2) 作者:コンドルセ発売日: 1951/03/05メディア: 文庫 引用ヶ所の邦訳ページを調べなくてはならないので、古いだけど入手して (古で買って)、あまり期待せずにざっと読んだけど、おもしろいなあ。人間の精神がだんだん発展してきて開明的になってくるよー、という話で、とても明解。人が進歩すれば環境が変わり、その価値観もかわって、戦争とか迷信的な宗教とかに囚われることもなくなり、理性的な取引に基づいて公正な取引が主流になる、という話。 で、ピケティのでは、コンドルセはちょっとボケ役になっている。コンドルセの議論は、人間の理性が進歩すれば、バカみたいな財産への固執もなくなるから、格差は自然に解消されるよ、というもの。それについて、

    コンドルセ『人間精神進歩史』なかなかおもろい。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    Nean
    Nean 2021/02/26
  • トマス・ペイン『土地をめぐる公正』Agrarian Justice 元祖ベーシックインカム! - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    トマス・ペインのAgrarian Justice、よく題名の直訳で、「農民の正義」とか紹介されているので、農地改革のすすめかなんかだろうと思って読みはじめたら、ぜんぜんちがいました。 なんと1795年の段階で、ベーシックインカムの必要性を実に明解に訴えた先駆的なパンフレット。そして、その論理はきわめて明解。創ったり相続したり買ったりしたものが私有財産というのは認めよう。でも、土地ってだれも作ったものじゃないよね。だから土地私有っておかしいよね。土地に対して、耕作して付加価値つけたら、その分は当然ながら、あんたの働きによるものだから私有できる。でも、いまの土地私有って、その改良を土地そのものと分離できないからって、来あんたのものじゃない土地自体まで私有してるよね? だったらその部分、相続税の形で社会に還元して、それを土地という共有財産を奪われた人たちに、ベーシックインカムとしてあげようぜ、

    トマス・ペイン『土地をめぐる公正』Agrarian Justice 元祖ベーシックインカム! - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • シュレーダー/石岡瑛子『MISHIMA』に見る、石岡瑛子の弱点:すべてを見せないと気が済まない! - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    こないだ石岡瑛子展にいってきて、大正解だったというのは前に書いたとおり。何やら終わり近くは連日満員だそうで、ご愁傷様です。 cruel.hatenablog.com さて、そこでも書いたことだけれど、その中であのMISHIMAの金閣寺が、ちょっと浮いていて空回りしている感じがした。でも実はぼくはMISHIMAは観ていなかった。公開当時、右翼に脅されて上映中止になり、なかなか観る機会がなかったこともある。そして……あんまりおもしろそうでなかったから。そもそも三島由紀夫があんまり好きではないのと、映画自体についてもそれほどのもんじゃない、という評判を聞いていたこともある。 その一方で「それほどのもんじゃない」評の半分くらいは、右翼が目の色変えて止めなきゃいけないほどのものじゃない、という主旨だった。でも「それほどのもんじゃない」のが、ある政治的な見解の描写なのか、映画そのものなのかはわかってい

    シュレーダー/石岡瑛子『MISHIMA』に見る、石岡瑛子の弱点:すべてを見せないと気が済まない! - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • スターリン=ウェルズ対談:当時の論争 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    以前、H・G・ウェルズによるスターリンのインタビューの翻訳を載せたら、それなりに好評を博した。 cruel.hatenablog.com その後、ちょっとまた別の興味でケインズ全集を見ていたら、なんとこのインタビューへの言及があって、ケインズがこれにコメントをよせているという。なんか、あのインタビューをめぐって当時(というのは1934年)論争があったとのことで、それへの寄稿。全集の収録の文章だけでは文脈がよくわからなかったので、そのパンフを探して、忙しかったので全訳してしまいました。 『スターリン=ウェルズ対談をめぐって』(pdf,1.6MB) 『スターリン=ウェルズ対談をめぐって』(epub,0.5MB) バーナード・ショーがコメントをつけて、それについてウェルズとケインズ(とエルンスト・トラー)がさらにコメントする、という形式だけれど、何かまったく得られなかったすごい知見が得られるわけ

    スターリン=ウェルズ対談:当時の論争 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    Nean
    Nean 2021/02/10
  • 再びピケティ奴隷募集! - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Exectuive Summary ピケティ新著のサポートサイト用に、図表の加工を外注したい。報酬は出たときに訳書をあげるだけ。以下の仕様を見てわかるヤツだけ応募しなさい。 はじめに 高齢な方々の中には、はるか昔にトマ・ピケティ『21世紀の資』とかいうがなぜかベストセラーになったのをご記憶の方もいるだろう。 21世紀の資 作者:トマ・ピケティ発売日: 2015/04/27メディア: Kindle版 さて、このは、自体だけでなくサポートのウェブサイトもあって、そこにExcelの表は図表、補遺、その他いろんな資料があった。には、それも込みでの『21世紀の資』であるぞ、と明記されていたので、日語訳を担当したバカは律儀にそのサポートサイトも全部訳したわけだ。 cruel.org ところがふたを空けてみたら、頼まれもしないのにそんなクソ面倒な手間をかけたのは、英語を除けばこの日語訳

    再びピケティ奴隷募集! - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    Nean 2021/02/04
  • ケインズ『人物評伝』全訳おわった。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    epub版ケインズ『人物評伝』表紙。 年明けてからケインズ『人物評伝』を訳し始めて、月の内になんとか終わりました。 ジョン・メイナード・ケインズ『人物評伝』pdf 2.7MB ジョン・メイナード・ケインズ『人物評伝』epub 1.4MB epubは、pandocで機械的に変換しただけ。現在は、もとの翻訳は半分くらいをlatexで書き、残り半分はmarkdownで書いて、pandocでlatexにして、そのlatexをもとにepubにしている。記事毎の改ページとか、きちんとできていないし、まだepubとして改良の余地はたくさんあると思う。今後これは改良しましょう。 (ふーむ、epubってxhtmlのかたまりなのか……ちょっとそれを知っていじってみました。表紙も一応くっつけておきました。このままアマゾンにでも出そうかね。xhtmlのかたまりということは、markdownを使う必然性はあまりなく

    ケインズ『人物評伝』全訳おわった。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • やさぐれるスタンリー・ジェヴォンズ - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    ケインズの人物評伝の訳は続いていて、マルサスが終わってスタンリー・ジェヴォンズになっている。 マルサスはかなり温厚でまともな人だったらしいけれど(まあ牧師さんだから)、それでも結構面倒な人ではあったみたい。同時代の人の証言によると、 「だが彼 [マルサス] はよい性格の人物で、妊娠の様子さえ見られなければ、あらゆる女性に礼儀正しい。」 ふーん、では妊娠の様子が見られた場合にはどんなふるまいをしたのでしょうか、というのは是非知りたいところ。さすが「人口論」の著者。この発言をした人は、パーティにマルサスがくるときには子供のいる女性をなるべく呼ばないようにする気遣いを見せたそうな。そのマルサスも後年になって、少しは態度を軟化させたそうではあるんだけれど。しかし、これで牧師が務まるのかよ! 実際は、教区は副牧師に任せていたそうなんだが。 で、スタンリー・ジェヴォンズなんだけれど、彼が二十五歳くらい

    やさぐれるスタンリー・ジェヴォンズ - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • ケインズ『人物評伝』の政治家パート/科学者パート - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    1933年のケインズ。 急に忙しくなったので、余計なことに手を出し始めて、ケインズ『人物評伝』の訳をこの連休に始めた。政治家、経済学者、科学者のパートがある中で、政治家の部分が終わったので、まあご覧あれ。 ジョン・メイナード・ケインズ『人物評伝』 ジョン・メイナード・ケインズ『人物評伝』 経済学者パートも、マルサスのやつは仕掛かりになっていて、やっとマルサスのお父さんの話 (主にルソーとの交流) が終わって、これから人の話になる……と思ったらすぐに脱線してコールリッジの話ばっかりになってる。この人と、マーシャルの分が長いんだー。 もとが1933年のだし、政治家部分は第一次世界大戦で活躍したイギリスの人ばかり。時代背景がわからないと、何を言っているかわからない部分も多いかとは思うが、仕方ありませんな。それを乗り越えられれば、とてもお気楽に読めるので、楽しめるひとは楽しんでください。 残り

    ケインズ『人物評伝』の政治家パート/科学者パート - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • ebook版もっと追加。ソローとサイモン & 富岡日記 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    ロバート・ソローの「内生的成長理論死ね」と、サイモンの合理性、epub化した。 ロバート・ソロー『アロー『やってみて学習』から学習:経済成長に とっての教訓』epub版 (右クリックでダウンロード) ハーバート・サイモン『人間活動における理性』epub版 (右クリックでダウンロード) どちらも、その道の大御所が「まああんまり全部合理性とかモデルとかで割り切れると思っちゃいけないよ」己のやってきたモデル化の活動をふりかえってその限界を考える話、と言えないこともなくて、その意味では昨日のピケティ話と通じる部分もある。どっちも、大御所がそこそこ気軽に語っていて、それでいながらどっちもこんな短いで、総合的な視点をきちんと出せているのは、大したものだと思うわー。いずれも、連続講義の記録だというのもあるんだろうね。 しばしばこの手のやつはずいぶん説教がましくなりがちで、特に日のエライとされてい

    ebook版もっと追加。ソローとサイモン & 富岡日記 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • クレクレくんの要求と自分の実験を兼ねて、正月にいくつか電子ブック化 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    あけおめ(死語)。 各種の翻訳の公開がpdfなのが気にくわねえとかいうケチがついて、なんでも若者はepub形式だそうで、pdfなんざ加齢臭で読んでいただけないそうですよ。悪うございましたね。epubは昔、少し検討したんだけれど、確か日語だと注かルビが処理できないというので、これは使えないなあと思って放置したような記憶がある。が、進歩したとのことだし、久々に(正月早々)いくつか実験してみた。 いちばん楽な道を、と思ってpdfからebookに変換してくれるソフトやサイトを試してみたけど、使い物にならないレベル。pdfの折り返しを全部文の終端扱いしてくれるし、ヘッダやフッタが全部途中に入り込む。 次に latex ファイルをebook形式に変換できるはずのtext4ebookが、すでにtexliveのパッケージに入っていたので試してみたけれど、エラーが出て中断。細かく原因チェックしてもいいんだ

    クレクレくんの要求と自分の実験を兼ねて、正月にいくつか電子ブック化 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • お年玉にしてはショボいが:アダム・スミス『国富論』8章まで (その後9章まで) - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    その昔、1999年にプロジェクト杉田玄白をたちあげたときに手をつけたはじめた、アダム・スミス『国富論』、4章くらいまでやってその後ほとんど進んでいなかったが、この4日ほど気晴らしでがーっとやって、8章まで終わった。これで第一巻の半分くらいになる。10章と11章がやたらに長いんだよ。(その後9章も終わった) アダム・スミス『国の豊かさの性質とその原因についての検討』 89章まで (pdf, 1.1MB) アダム・スミス『国の豊かさの性質とその原因についての検討』 89章まで (epub, 0.2MB) お年玉にしてはショボいが、まあ新年に暇なら、読んで罰はあたらないと思うぜ。しかしアダム・スミス、こうして見ると当にいろんなこと考えていて、制度の影響とかインセンティブの影響とか、貧困削減の重要性とか労働争議問題とか、人口との関係とか、あれもこれもすでにここにあるというのはスゲえもんだ。経済成

    お年玉にしてはショボいが:アダム・スミス『国富論』8章まで (その後9章まで) - 山形浩生の「経済のトリセツ」