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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/reizei (38)

  • 高校生「オナラ防止パンツ」開発の背景にある、日本の学校の悲壮な現実

    <日の学校ではなぜか「排泄」という生存に不可欠な行為について、他者を許容し、配慮を示すことを重視しない> 高校生向けの媒体「高校生新聞」が伝えたところによると、東京の男子高校生3人組が、「オナラの音と臭いを消すパンツ」の開発に取り組んだそうです。「遮音」「吸音」「消臭」の3つの機能を兼ね備えたパンツを目指して、スポンジや活性炭をステンレス材ではさむという試行錯誤をしているそうです。 若者らしい、ユーモアも感じさせる科学実験で、商品化はできなくても、大学進学の際には一芸入試などで評価してあげていいと思います。微笑ましいエピソードだし誰もが応援したくなるニュースです。 ですが、記事の中で一点だけ気になる点がありました。それは研究グループの1人が、「周りが気になりオナラを我慢して体調を崩してしまう。そんな誰にでも思い当たる悩みを解消するパンツを作ろうと思いました」と発言していた部分です。 ある

    高校生「オナラ防止パンツ」開発の背景にある、日本の学校の悲壮な現実
  • ケネディ暗殺機密ファイル公開は、トランプにとって「両刃の剣」

    トランプにとっては都合の良いタイミングでもあるが(写真は暗殺当日にダラスの空港に降り立ったケネディ大統領夫) REUTERS <トランプ自身のロシア疑惑が再燃した今、ケネディ暗殺に関する機密のファイルの公開は、疑惑から目をそらす効果も反対に関心を高める効果も考えられる> 1963年に発生して世界に衝撃を与えたJFK(ジョン・F・ケネディ)大統領の暗殺に関する「機密ファイル」が2017年10月26日に一部公開となりました。どうしてこの日だったのかというと、内容の公表に関してはCIAとFBIが「国の安全保障に関わる」として難色を示す中で、「JFKファイル公表特別法」という法律が1992年に制定されているからです。 この特別法は、制定から25年後にそのファイルを全て公開するとしており、この10月26日が、正確にその「25年後の日」だったのでした。もっともトランプ政権としては、CIAとFBIが安

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    Nean 2017/11/02
  • 東大PEAKは「高辞退率」を恥じるな

    最初にお断りしておきますが、私としては東京大学が駒場キャンパスに設置した「教養学部英語コース(PEAK)」に関しては、それほどのワクワクは感じていません。理由は単純で、直接的には郷や柏の学部の国際化にはならないからです。 秋入学構想の停滞に象徴されるように、東大の国際化が決して加速していない現実の中で「国際日研究コース」あるいは「国際環境学コース」に絞った「英語での教育」というPEAKのコンセプトは、明らかに過渡的な措置だと思います。 とにかく、東大は全学がPEAKにならなくてはならないのです。全学の国際化が進まない中で、「隔離された存在」としてPEAK「だけ」を推進するのは、あくまで暫定的な話であるべきです。 例えば工学部で「東大が最先端」である領域の先進性を維持してゆくとか、世界における日文化や日語研究で最高の研究機関であろうとするならば、教育も研究も半分以上は英語で行い、世界

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    Nean 2015/04/04
  • 中間選挙「共和党勝利」で、アメリカは右傾化するのか

    アメリカで4日に実施される中間選挙で、仮に上下両院ともに共和党が過半数を占めたと仮定した場合、アメリカにはどんな変化が起こると予想できるのでしょうか? 法的に言えば、オバマは大統領として2017年1月まで任期を残しているわけですから、その間は議会がどんな法案を通しても「拒否権」を使って阻止することはできます。また大統領令を出して簡単な制度改正を行うことも可能です。 ですが、下院の多数を共和党に握られた改選前の「ねじれ議会」でも、オバマは政局運営に苦労していたわけですから、仮に上院も取られてしまうとなると、もっと自分の政策を通していくのは難しくなります。上下両院を共和党が支配すれば、共和党の影響力が増すことは間違いありません。 その場合、アメリカはどんな方向へ向かうのでしょうか? 一般的に民主党はリベラルで、共和党は保守だというイメージが確立しています。では、アメリカは右傾化するのでしょうか

    中間選挙「共和党勝利」で、アメリカは右傾化するのか
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    Nean 2014/11/04
  • 愛国歴史教育に対する「米高校生の異議申し立て」が勝利した日

    最近の各国の保守主義の運動には「自国の歴史に誇りを持てるような教育」へと、歴史教育を改変するという志向があります。アメリカも例外ではありません。例えばブッシュ時代の「草の根保守」の復権を契機として、ハッキリとそうした運動が立ち上がっています。 そのリーダー格といえば、リン・チェイニー氏です。チェイニー前副大統領の夫人ですが、歴史家というより文学者という立場で「愛国歴史教育」を推進していたのです。 チェイニー氏はまず「建国の歴史」に関して「トーマス・ジェファーソンの理想主義とか、権力への牽制」といったエピソードではなく、「独立戦争の苦しい戦いを勝利に導いたワシントンの勇気」を前面に出して教えよとか、ベトナムや公民権の話ばかり教えるのはバランスを欠くなどという主張を「運動」にしたのです。 更にチェイニー氏の前にフランシス・フィッツジェラルドというジャーナリストは79年に出した『アメリカ史の改善

    愛国歴史教育に対する「米高校生の異議申し立て」が勝利した日
  • 朝日「誤報」で日本が「誤解」されたという誤解

    いわゆる「従軍慰安婦」問題をめぐる証言記事に関して朝日新聞が誤りを認め、取り消したことに関連して、あらためてこの「従軍慰安婦」の議論が盛んになっています。その議論の多くは「誤報」、つまり「狭義の強制」があったと報道されたことで、「国際社会の誤解」を招いた朝日新聞には責任があるという考え方です。 例えば安倍首相は9月14日のNHKの番組で、朝日新聞が「世界に向かってしっかりと取り消していくことが求められている」と述べたそうですし、加藤勝信官房副長官も17日の記者会見で、「誤報に基づく影響の解消に努力してほしい」と述べています。 また朝日新聞の訂正直後に実施された、読売新聞の世論調査によれば、『朝日新聞の過去の記事が、国際社会における日の評価に「悪い影響を与えた」と思う人が71%に達した』そうです。 しかし、こうした「国際社会に誤解されている」という議論は、それ自体が「誤解」であると考えるべ

    朝日「誤報」で日本が「誤解」されたという誤解
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    Nean 2014/09/19
  • 米SAT改訂とアメリカの受験戦争

    先週の3月5日、アメリカの受験生の悩みのタネであったSAT(Scholastic Assessment Test、大学進学適性試験)が2016年から改訂されるという発表がありました。このニュース、背景の事情が少々複雑ですので、ここで一旦整理しておこうと思います。 SATの実施母体である非営利団体カレッジボードによれば、改訂の方向性は以下のようです。(1)国語(英語)を易しくして難解語彙の知識を要求する問題を減らす、(2)誤答への減点は止めて誤答も白紙も同様に零点とする、(3)2005年に導入された、数学英語読解+エッセイ(文法含む)の3科目2400点制を止めてエッセイをオプションとし、2科目1600点制に戻す、という3点です。 報道によれば、受験生への負担を減らすのが目的であり、特に難解語彙の少ないACT(American College Testing)というSATと同等の統一テストに

    米SAT改訂とアメリカの受験戦争
  • 受験生の「購読雑誌」を書かせるアメリカの大学入試 | 冷泉彰彦 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    アメリカの大学入試は、多くの大学で1月1日、一部では1月15日に願書受付が締め切られ、これで受験生は「延々と続くエッセイの執筆」から解放されて、3月末の合格発表を待つことになります。一部、11月の早期出願に応募して12月に合格通知を受け取っている受験生もいますが、そうした人々も含めて、これで高校4年生の多くがとりあえず高校での学業と課外活動に専念できることになります。 アメリカの大学入試は全て「AO(アドミッション・オフィス)方式」です。受験会場に赴いて決められた試験時間に問題に取り組むということは、統一テストとしてはありますが、各大学としては一切ありません。エッセイにしても履歴書にしても、自宅で書いて、ウェブサイトで入力するだけです。 ですが、これが結構大変です。特に近年は各大学が独自にエッセイの出題を行うことに加えて、大学独自の「質問項目」というものを設けており、受験生としては気が抜け

  • 米情報機関に「監視」されても激怒しない日本政府

    CIA(中央情報局)とNSA(国家安全保障局)の元職員で元外注先エンジニアであった、エドワード・スノーデンに関して、オバマ政権は「大した情報は持っていない」として「小物扱い」をしていました。ですが、そのスノーデンは、ロシアに仮亡命後も「ドイツのメルケル首相の携帯電話も盗聴していた」という内容も含めて継続的に「暴露」を続けているわけです。 これを受けて、メルケル首相をはじめ、ドイツの政界や世論における対米感情は悪化しているようですし、フランスでも同じような動きがあるようです。もっとも、ヨーロッパ土を対象とした米英の「盗聴、監視活動」に対するEUの反発というのは、スノーデンの暴露が初めてではありません。 例えば、2000年から2001年にかけてはEU部の欧州議会では、米英同盟によるヨーロッパ土諸国を対象とした非合法的な盗聴行為が行われているとして、「エシュロン調査委員会」という委員会の調

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    Nean 2013/11/05
  • 「ジョブ型雇用」はまず経理部から導入してはどうか?

    でも「ジョブ型雇用」の議論が始まりました。いわゆる専門性を評価しての雇用ということですが、別に新しいものではなく、医師とか薬剤師、税理士あるいはプロスポーツ選手など、中には雇用契約ではなく個人事業主の場合もありますが、大きく考えれば「ジョブ型」の雇用というものは昔からあったわけです。専門的な職工さんとか調理師などもそうです。 ですが、一般的な企業の場合は、終身雇用の中で「専門性はないが、その会社独自のカルチャーに根ざした調整能力は抜群」という、いわゆる「メンバーシップ型雇用」の人「だけ」が企業の上級管理職になれるわけです。その一方で、特に一般のサービス業や製造業の現場では、「ジョブ型」というものが「格下」に位置づけられている、そこに問題があります。 こんな制度はグローバルなビジネスの世界には、ありません。管理職とか経営者というのも、「ジョブ型」というのが世界標準です。ですが、現在進行し

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    Nean 2013/08/24
  • 2012年大統領選、混迷の要因は「スーパーPAC」にあり

    共和党の大統領候補者選びは、ここへ来て混迷を深めています。中道候補としてアイオワ州の党員集会とニューハンプシャー州予備選を「連勝」して勢いをつけたミット・ロムニー候補ですが、21日(土)のサウスカロライナ州予備選では、ライバルのニュート・ギングリッチ候補に大敗を喫しました。勝ったはずのアイオワ州も再計算では2位になっています。来週の1月31日に予定されているフロリダ州でロムニーが負けるようですと、益々混戦ということになりそうです。 サウスカロライナ州でのギングリッチ候補の突然の上昇(サージ)ですが、要因は2つありました。1つは先週にこの欄でお話をした、ロムニー候補が「確定申告書の開示を渋った」ことと、にも関わらず「自分の税率は約15%」ということで「利子や配当などの不労所得」が多そうだという印象を持たれたことがあります。 もう1つは、予備選の直前にABCテレビがギングリッチ氏の前夫人(彼は

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    Nean 2013/07/23
  • 政治家の「外遊中の失言」はどうして「マズイ」のか?

    少し以前の話になりますが、猪瀬直樹東京都知事の「イスラム世界はケンカばかり」という失言には驚かされました。同時に、先週に飛び出した麻生太郎副総理兼財務相の「中国とスムーズに行った歴史はない」という発言も、同じように「行き当たりばったり」と言わざるを得ません。 麻生発言に関しては、もしかしたら「中国の反応を試す」という外交上の目的があった可能性も数パーセントあるのかもしれませんが、仮にそうであっても「1500年間の日中関係がずっとダメだった」というのは、トンデモ発言であることには変わりはありません。 それにしても、どうして政治家が「外遊」するとこの種の失言が起きてしまうのでしょう? またどうして、この種の発言は「マズイ」のでしょう? どうしてマズイのかということでは、それぞれに理由は明らかです。猪瀬発言に関しては後日に安倍首相の「フォロー」が必要になるほどに「東京五輪招致」における対外的イメ

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    Nean 2013/05/22
    錦の御旗がなければ、みな賊軍というお話。
  • 「橋下発言」はアメリカからどう見えるか

    所用でニュージャージー州外に行っていたのですが、その間にこの問題がどんどん拡大していたのには驚きました。現在の事態は、この欄で過去に申し上げた「管理売春は現代の基準では性奴隷」という指摘、また「国境を越えたコミュニケーションでは理念型の発信しか通用しない」というコメントが生かされなかった点、何とも残念に思います。以下は、とりあえず、現時点で気づいたことを箇条書きにしておこうと思います。 (1)アメリカなど欧米諸国はキリスト教国だから性的なタブーの強い「偽善的な国」だという主張があります。もしかしたら問題の奥の背景にはそうした宗教やカルチャーもあるのかもしれません。ですが、アメリカがいい例ですが、買春行為に対して社会が厳しい目で見ているのは宗教や文化のためではないと思います。核家族のイデオロギーが確立する中で、買春行為というのは、と子への裏切りであり、社会の最小単位である核家族を破壊し、自

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    Nean 2013/05/17
  • ボーイング787の初期不良、日本の部品が原因というのは「濡れ衣」ではないのか?

    ボストンのローガン空港でのJAL機の2日連続でのトラブル、そして16日に高松に緊急着陸したANA機のトラブルと、ここへ来てボーイング787「ドリームライナー」はトラブルが続いています。一連の問題に関しては、その多くが電池からの発火であることもあって、日製の電池に問題があるような報道がされています。 ですが、私はそうではないと考えます。 私は航空機の専門家ではありませんが、電気自動車やハイブリッド車に関わる電池の技術については、ここ数年ずいぶんと勉強して来ています。以下は、そうした私の理解をベースにした私見です。また、仮に新しい事実が明らかになり、訂正が必要になった場合は速やかに対応する予定です。 まず発火したJAL機の電池、そして同じく発火して高松に緊急着陸したANA機の操縦席床下に供えられていた電池は、報道によれば、いずれもGSユアサ製のようです。この「リチウムイオン電池」に関しては、

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    Nean 2013/01/20
  • 「追い出し部屋」と「体罰自殺」の何が問題なのか?

    年末の朝日新聞に「追い出し部屋」という大企業のリストラ策の一環についての記事が掲載されて話題になっています。この種の問題は20年ぐらい前からあり、終身雇用契約のために解雇が難しい中で、企業としては「リストラ対象」として指名した人間を、意図的に極端な閑職に追いやり最終的に自分から辞表を出させるというものです。 この問題については、「非現実的な雇用に関する規制が残っているからダメなんだ」という文脈で論じられることが多いようです。企業が一方的に従業員を解雇することができず、正社員の終身雇用が保護され「過ぎている」というわけです。この論調は「そのために、若い世代の労働機会が奪われている」という論理に結びつけることもされています。 私は、この問題に関しては、ある程度の規制緩和は必要ではないかと思います。但し、その場合は経営層から管理職層、専門職層に対して整理解雇の条件を緩くする一方で、非管理職、非専

  • ハリケーン「サンディ」直撃のインパクト

    まだ停電が続いており、ケーブルやランドラインも不通、3G回線も不安定ですので速報ということでお許し下さい。 それにしても、10月末にハリケーンというのは驚きです。上陸まで成長を続けて中心気圧940ヘクトパスカルという猛烈な勢力でニュージャージー州が直撃を受けるとは思いませんでした。 私の住むニュージャージー州の中部は、目の進行方向右側であったために、雨の被害は大したことはありませんでしたが、風の威力は大変で、私の住むエリアでも倒木があちこちでゴロゴロしており、家屋の損傷被害は相当なようです。 特に大変だったのは、海沿いでした。運悪く満月で大潮であったこともあり、高潮による洪水被害が深刻です。大西洋岸のリゾート都市であるアトランティックシティでは街の80%が水没する一方で、孤立した地域なども出ています。 ニューヨークでは、マンハッタン島に出入りするトンネルの多くが水没するなどの被害が出ており

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    Nean 2012/10/31
  • 恒例の「国語に関する世論調査」結果、問題は議論の方向性では?

    昨年も同じ9月中旬に、文化庁による「国語に関する世論調査」が発表された際に、「文化庁の「正しい日語原理主義」が「姑息」である理由」というタイトルの下で、この欄で私は違和感を述べています。この年の場合は具体的には「寒っ」とか「姑息(こそく)」という表現、あるいは「ら抜き言葉」問題に関する議論で、要するに政府が「正しい日語」を示しつつ「日語の乱れ」について否定的な見方を表明するようなことは必要がないというのがその趣旨でした。 もっとも、調査そのものに関して言えば、解釈めいたコメントはないわけで、問題はその報道にあると言えます。特に新聞の社説などが「話題」として面白おかしく取り上げる中で、「若者の日語の誤用」を非難したり、「日語の乱れ」を嘆いたりするのが「お決まり」になっているわけで、調査の方でもそうした扱い方をされることを前提で発表している「ふし」があることは否定できません。その意味

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    Nean 2012/09/24
    《「正しい日本語原理主義」については、いい加減にしてもらいたい》。
  • ハーバードは大量カンニングにどう決着をつけるのか?

    8月30日(木)、ハーバード大学は突如発表を行なって125人という大規模な学内での試験不正事件について、現在調査を進めているということを公表しました。同大学の学内報『ガゼット』に続いて、地元紙の『ボストン・グローブ』など全国のメディアが一斉に報じているところでは、全部で250人が履修している1年生の数学コース中、約半数の答案に不正の疑いがあるというのです。 ハーバードというと、知名度ということから大規模校という印象になるのかもしれませんが、学部学生は各学年1600人程度と少なく、また少ないがゆえに高い質を誇っていることもあるのです。その中での125人というのは、非常に大きな数であり、そのためにアメリカでは衝撃的なニュースとして受け止められています。 また、それゆえに大学は非常に神経質になっているようです。今後、捜査を進展させるにはある程度の情報公開が必要、また新入生の入ってきた新学年のスタ

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    Nean 2012/09/08
  • 共和党大会に登場したクリント・イーストウッド、賛否両論の背景とは?

    フロリダ州のタンパで先週行われた共和党大会では、ミット・ロムニー候補が受諾演説を行い10万個という風船と紙吹雪の舞う中で、オバマの2期目当選を阻止しようと、党としての団結をアピールしていました。ただ、この党大会で最も話題を呼んだのは、ロムニー候補人ではありませんでした。 最も話題になったのは、その最終日の8月30日、それこそロムニー候補の演説の直前に登場したハリウッドを代表する監督兼俳優のクリント・イーストウッドの「スピーチ」でした。大会が終わり、人々の関心が翌週の民主党大会に移りつつあるこの週末も、まだネットメディアなどを中心に賛否両論が続いています。 クリント・イーストウッドの作品を見たことがある人なら、そこある強烈な「正義感」とか、その延長での「弱者への誠実な視線」あるいは「腐敗した権力への厳しい眼差し」を感じると思います。一見すると、その「思想」はリベラルの側に属するようにも見え

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    Nean 2012/09/07
  • コロラド乱射事件と、アメリカの「いじめ」問題

    先週末のエントリで、日の「いじめ」問題を「空気と目線」という観点から論じたところ、多くの方々から「アメリカいじめ事情はどうなのか?」という問題提起をいただいています。 この点に関しては、確かにアメリカでは体育会系が線の細い子供を「いじめる」というクラシックな「いじめ」のパターンがあり、それに加えて、ここ5年ぐら「ネットいじめ」の問題、あるいは中学校を中心とした「仲間外れ」などの問題行動が増えています。「いじめ(ブリング)」という言葉が、小学校から中学校の教育問題として大きなテーマになりつつあるのは事実だと思います。 ですが、体育会系の横暴というカルチャーは、要するに行動としては幼稚なものだということで理解がされています。新作映画『アメイジング・スパイダーマン』で「いじめっ子」がそれほど悪人に描かれていない一方で、別にそれが非難されるわけでもないという辺りに、一種の社会的な合意、つまり「

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    Nean 2012/07/24