近年よく耳にする「カルト」とは何が問題なのでしょうか。実際、学生が当事者になるケースが早稲田大学でも発生しているといいます。そこで、宗教問題に詳しく、早稲田大学リーガル・クリニックの所長でもある棚村政行教授(法学学術院)に、なぜ学生が狙われやすいのか、どんな問題があるのか、具体的な事例や対処法をお聞きしました。困ったときの相談窓口も最後に紹介します。身近に潜むカルトについて考えていきましょう。 本記事で使用する「カルト」という語は、「主流派を批判する急進的な宗教」や「主流文化から逸脱した宗教」といった学術的な用法ではなく、「反社会的な、危険で人権侵害を繰り返す集団」という社会的用法として用います。また、「宗教カルト」の他、セミナーや研究会などの名目でお金をだまし取る「経済・商業カルト」、戦争反対や平和を訴える団体を騙(かた)る「政治カルト」、人の弱みや不安に付け込む「心理カルト」などを包含