「エジプトはナイルの賜物である」 古代ギリシアの歴史家ヘロドトス(前485頃~前425年)の言葉です。その言葉通り、エジプト文明は、時には大洪水という気むずかしさを見せるナイル川と共に発展してきました。メソポタミア文明や、その他の文明と同様、川の流域で文明が栄えることになります。 まずは前4000年~3000年に、ハム語族によって都市国家群(ノモス)が造られるようになります。 が、都市国家分立状態はメソポタミアより600年ほど早く終結し、最初の統一王朝が前3000年頃に出来上がります(第一王朝)。国王はファラオ(大きな家の意)と呼ばれ、神の化身とされ、宗教的権威を持ち国家のトップとされます。神=王、という神王理念です。が、その実態は有力な首長の一人にすぎず、第一王朝~第二王朝までは権威確立に奔走することになります。その過程で、都としてメンフィスが築かれ、ファラオが任命した州知事を地方に派遣