デイヴィッド・リカードは、若き日のマーシャルが自らの「英雄」として尊敬していた経済理論家だが、リカードの『経済学および課税の原理』(初版は1817年)が古典派経済学のなかで最も体系的な構造をもっていたことは確かである。リカードは、たまたま避暑地で読んだアダム・スミスの『国富論』(1776年)がきっかけで「経済学」というデイヴィッド・リカードは、若き日のマーシャルが自らの「英雄」として尊敬していた経済理論家だが、リカードの『経済学および課税の原理』(初版は1817年)が古典派経済学のなかで最も体系的な構造をもっていたことは確かである。 リカードは、たまたま避暑地で読んだアダム・スミスの『国富論』(1776年)がきっかけで「経済学」という新興の学問に関心をもったのだが、スミスがときに歴史などに脱線しているのに対して、リカードはあくまで理詰めで押していく頭脳の持ち主だった。天才というのがふさわし