身の回りにある話がパチンコだの、バカ女だの、先輩後輩の上下関係だの、 ニコイチのセルシオだの、下世話で下らなくて、ああ、俺は周りの人間に恵まれていないと思っていた若いころ。 もっと素晴らしい人たちと交流を持ちたいと思った。 そういう人たちと中身のある、深い話をしたいと願った。 そして東京でそういう人たちと出会った。 しかし相手にされなかった。 田舎から出てきたダサいコミュ障のサブカル憧れ兄ちゃんなど何の価値もなかったのだ。 見た目さえよければまた違ったのだろう。 しかし田舎でさえモサかったのだ。 東京においては、東中野でさえもモサ扱いだった。 なにか創作ができるかというとそうでもなく、ただの三流大学生のまま卒業し、三流の商社に入り、 モテもせず、仕事もたいしてできず、すぐに拗ね、もう40を過ぎた。 こうなってはならぬ。